【社労士監修】人工関節で障害年金はもらえる?3級認定・永久認定・遡及請求を解説

【結論】人工関節・人工骨頭を挿入置換した方は、原則として障害厚生年金3級に認定されます。

通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月待たなければ申請できませんが、人工関節の場合は「手術日」が障害認定日となる特例があり、早期の申請が可能です。また、一度認定されると更新のない「永久認定」となるケースが多く、将来にわたって安定した受給が見込める制度となっています。

この記事が向いている方

✅ 変形性股関節症や膝関節症などで人工関節の手術を終えた、または予定している方
✅ 手術から数年経っているが、今からでも障害年金を請求できるか知りたい方
✅ 初診日に会社員(厚生年金加入)として働いていた方
✅ 働きながら障害年金を受け取れるか、デメリットがないか不安な方

この記事の目次

  • 【結論】人工関節・人工骨頭は原則「障害厚生年金3級」に認定されます
  • 障害年金の対象となる「3大関節」と人工関節の基礎知識
  • 人工関節は更新不要?永久認定とは
  • 人工関節ならではの3つの大きなメリット(特例)
  • 人工関節で「障害基礎年金(1級・2級)」を受給できるケース
  • 【重要】自営業・主婦の方は受給できない?「初診日」の重要性
  • 働きながらでも受給できる?人工関節の審査ポイント
  • 当センター(新横浜・川崎)による人工関節の受給事例
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ|人工関節の手術を受けたら早めの申請がおすすめ

【結論】人工関節・人工骨頭は原則「障害厚生年金3級」に認定されます

人工関節または人工骨頭を挿入置換した場合、国の認定基準により原則として「3級」に該当すると定められています。3級は「労働に制限を受ける程度」の状態を指しますが、人工関節の場合は手術によって歩行能力が改善していても、人工物を入れたという事実をもって3級と認定されるのが一般的です。

👉 ただし、この3級は「障害厚生年金」の等級であるため、初診日に厚生年金に加入していたことが前提となります。

障害年金の対象となる「3大関節」と人工関節の基礎知識

人工関節であればどこでも良いわけではなく、対象となる関節が決まっています。

対象となる関節(肩・肘・手・股・膝・足)

障害年金の対象となるのは、以下の「主要3大関節」です。

  • 上肢:肩関節、肘関節、手関節
  • 下肢:股関節、膝関節、足関節

※指の関節などは、人工関節置換術を受けても原則としてこの基準には当てはまりません。

人工関節と人工骨頭の違い

  • 人工関節:関節の受け皿側と骨頭側の両方を人工物に置き換える手術。
  • 人工骨頭:骨の先端(骨頭)のみを人工物に置き換える手術。 👉 どちらの手術であっても、障害年金上の扱いは同じ(原則3級)です。

人工関節で障害年金の対象になるのは、3大関節に限られます。

人工関節ならではの3つの大きなメリット(特例)

人工関節の障害年金申請には、他の傷病にはない非常に有利なルールが3つあります。

① 障害認定日の特例:手術日が基準になる

通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月経たないと申請できませんが、その期間内に手術をした場合、「手術日」が認定日(請求できる日)となります。これにより、1年6ヶ月待たずに受給を開始できる場合があります。

② 遡及請求の簡略化:診断書1枚で最大5年分

過去に遡って請求(遡及請求)する場合、通常は「過去の診断書」と「現在の診断書」の2枚が必要ですが、人工関節の場合は「現在の診断書」1枚で、手術日に遡って最大5年分の年金を受け取れる特例があります。

③ 永久認定:原則として更新手続きが不要

精神疾患などの多くは数年ごとに更新が必要ですが、人工関節は状態が劇的に変わることがないため、「永久認定」(一度決まれば一生受給)となるケースがほとんどです。

人工関節は更新不要?永久認定とは

人工関節の「永久認定」とは、障害年金が一度認定された後、通常必要となる更新(障害状態確認届・診断書提出)が不要になる扱いを指します。人工関節・人工骨頭では、障害年金の認定基準上、「人工関節又は人工骨頭をそう入置換したものは3級」とされており、人工物を体内に入れた状態そのものが永続的な障害として評価されます。そのため、多くのケースでは、

  • 数年ごとの更新診断書提出がない
  • 「次回診断書提出年月」が設定されない
  • 一生涯同じ等級で受給継続

という「永久認定」の扱いになります。

人工関節で「障害基礎年金(1級・2級)」を受給できるケース

原則は3級ですが、以下の場合はより重い「2級」以上に認定される可能性があります。

  • 両足に人工関節を挿入しており、日常生活に著しい支障がある場合。
  • 人工関節を入れたものの、経過が思わしくなく歩行に著しい制限(松葉杖や車椅子が必要など)が残っている場合。
  • 人工関節以外にも、他の障害(内科疾患や他の肢体障害)がある場合。

👉 2級以上に認定されれば、自営業や主婦の方(障害基礎年金)でも受給が可能になります。

【重要】自営業・主婦の方は受給できない?「初診日」の重要性

人工関節の申請で最も注意すべきは「初診日にどの年金に加入していたか」です。

初診日の加入制度
受給できる可能性
厚生年金(会社員・公務員)
非常に高い(3級があるため)
国民年金(自営業・主婦・学生)
低い(2級以上に該当しないと不支給)

👉 人工関節は「原則3級」であるため、初診日が国民年金の方は、よほど状態が悪くない限り不支給となるリスクが高いのが実情です。

働きながらでも受給できる?人工関節の審査ポイント

結論として、人工関節の方はフルタイムで働いていても受給できます。

人工関節の認定基準は「機能障害」そのものに着目しているため、仕事の内容や収入によって不支給になることは原則ありません。

  • 事務職でも現場職でも関係なく、手術をした事実で評価されます。
  • 「歩けるようになったから」という理由で支給が止まることもありません。

👉 むしろ、仕事ができているうちに「厚生年金3級」として受給を確定させ、将来の生活の足しにするのが賢い選択です。

当センター(新横浜・川崎)による人工関節の受給事例

当センターでは、人工関節に関する遡及請求や困難な案件を数多く解決しています。

【事例①】

両側突発性大腿骨骨頭壊死で人工関節置換となり障害厚生年金3級を取得、年額124万円、遡及で648万円を取得できたケース

【事例②】

大腿骨頭壊死症で両足人工骨頭置換術を受け障害共済年金3級を取得、特別支給の老齢厚生年金障害者特例を選択し、年額220万円、遡及で264万円を受給できたケース

人工関節・肢体障害の受給事例ページはこちら

よくある質問(FAQ)

Q. 人工関節を入れたら自動的に年金がもらえますか?

A. いいえ、ご自身での申請が必要です。 病院や役所から通知が来ることはありません。初診日要件や納付要件を満たした上で、必要書類を揃えて年金事務所へ提出する必要があります。

 

Q. 10年前に手術をしたのですが、今からでも請求できますか?

A. はい、可能です。 ただし、年金には5年の時効があるため、遡って受け取れるのは最大で直近5年分となります。それ以前の分は時効で消滅してしまうため、一日も早い申請をお勧めします。

 

Q. 手術をして痛みはなくなりましたが、それでも受給できますか?

A. はい、受給できる可能性が高いです。 障害年金の認定基準には「人工関節を挿入置換したものは3級とする」という主旨の規定があります。痛みの有無や歩行状態に関わらず、置換した事実が重視されます。

 

Q. 初診日の病院がもうありません。どうすればいいですか?

A. 診察券やお薬手帳などで代用できる場合があります。 当センターでは、当時の記録が乏しい場合でも、あらゆる証拠を積み上げて初診日を立証するサポートを得意としています。

まとめ|人工関節の手術を受けたら早めの申請がおすすめ

  • 人工関節・人工骨頭は「原則3級」として認定される
  • 初診日が厚生年金であれば、働きながらでも受給できる可能性が極めて高い
  • 手術日が認定日になる特例や、診断書1枚での遡及請求など有利なルールが多い
  • 一度認定されれば「永久認定」となり、将来にわたる安定した収入になる

人工関節の申請は、他の傷病に比べて認定のハードルが明確であり、非常に受給しやすい項目です。しかし、「初診日の特定」や「年金の種類」の判断を誤ると、本来もらえるはずの年金を逃してしまうことになりかねません。

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人工関節の手術を受け、リハビリや仕事復帰に励んでいる皆様へ。障害年金は、あなたのこれまでの頑張りと、これからの生活を支えるための正当な権利です。

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    社会保険労務士 遠藤 隆
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