3級14号とは
障害厚生年金には、障害等級が1級、2級、3級、障害手当金(一時金)があります。障害手当金とは3級よりも障害の程度が軽い場合に、一時金として支給されますが、その要件として「傷病が治っていること(障害の程度が固定していること)」というものがあります。
しかし症状固定とされない場合にはどうなるかというと、障害認定基準に以下のような記述があります。
「傷病が治らないもの」については、 第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の障害の状態がある場合であっても3級に該当する。
つまり、障害手当金相当の障害の程度であっても、症状が固定していなければ障害手当金は支給されず、障害厚生年金3級として支給されることになります。
このときに認定される等級が「3級14号」という等級になります。
障害の程度が3級に満たなくても3級の障害年金が支給される「3級14号」なのですが、この支給条件は前述の通り「症状が固定していないこと」になります。そのため、症状が固定したと認定された場合は支給停止されます。障害認定基準には以下のような記述があります。
「傷病が治らないもの」であって、3級の第14号と認定したものについては、経過観察を行い、症状が固定に達したものは、3級の第14号に該当しないものとする。
本来の障害の程度としては3級に満たないのに3級の年金を支給している「3級14号」は、症状の悪化に備えた救済的な措置と言えるでしょう。そのため、症状悪化の恐れがなくなった場合には年金を止めるという運用をしています。こうなりますと「状態が変わっていないのに年金が支給停止された」という事態が発生することになる訳です。