【社労士監修】コロナワクチン・HPVワクチン後遺症で障害年金はもらえる?救済制度との違いを解説
最終更新日: 2026-5-28 社会保険労務士 遠藤 隆
【結論】ワクチンの健康被害で障害が残った場合、障害年金と救済制度の両方を受給できる可能性があります。
新型コロナワクチンや子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)等の予防接種を受けたことによって重い副反応や後遺症が生じ、日常生活に支障が出るような障害が残ってしまった場合、国や自治体による「予防接種健康被害救済制度」だけでなく、公的年金制度である「障害年金」も同時に受給できる可能性があります。
これらは全く別の制度であるため、一方を申請したからといって、もう一方が申請できなくなるわけではありません。ただし、制度によって対象年齢や窓口、受給要件が大きく異なるため、それぞれの仕組みを正しく理解して手続きを進めることが重要です。
この記事が向いている方
✅ ワクチンの接種後に重い副反応や後遺症が残り、日常生活や仕事に支障が出ている方
✅ 「予防接種健康被害救済制度」の申請を検討している、またはすでに申請中の方
✅ ワクチンの健康被害(後遺症)で障害年金がもらえるのか知りたい方
✅ 救済制度の「障害年金(障害児養育年金)」と、通常の「障害年金」の違いが分からない方
この記事の目次
- 【結論】ワクチンの健康被害で障害が残った場合、障害年金と救済制度の両方を受給できる可能性があります
- 予防接種健康被害救済制度とは?対象となる疾病と給付の種類
救済制度の対象となる主な予防接種(A類疾病・B類疾病)
救済制度で支給される主な給付内容 - 障害年金と救済制度(障害年金・障害児養育年金)の決定的な違い
18歳未満に支給される「障害児養育年金」は別制度
18歳以上が対象となる「障害年金(救済制度)」と、通常の「障害年金」の違い - ワクチンの健康被害(副反応)で通常の「障害年金」を受け取るための3つの要件
- 【重要】予防接種後に障害年金を申請する際の実務上の注意点
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|「どちらか一方」ではなく、両方の制度の確認が重要です
- ご相談について
予防接種健康被害救済制度とは?対象となる疾病と給付の種類
予防接種健康被害救済制度に対する答えは、「予防接種法に基づくワクチンを接種したことで健康被害が生じ、厚生労働大臣が認めた場合に市町村から給付が行われる国の救済制度」です。
万が一、医療機関での治療が必要になったり、日常生活に支障が出るような障害が残ったりした場合には、健康被害の重さに応じて法律に基づいた給付が行われます。
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救済制度の対象となる主な予防接種(A類疾病・B類疾病)
救済制度の対象となる予防接種は、法律上の区分によって「A類疾病」と「B類疾病」に分かれており、それぞれ受けられる給付の範囲や金額が異なります。
- 主なA類疾病予防接種:新型コロナワクチン、BCG、ヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、四種混合、麻しん風しん(MR)、日本脳炎、子宮頸がんワクチン(※積極的勧奨が差し控えられている期間の接種も含みます)
- 主なB類疾病予防接種:高齢者のインフルエンザ、高齢者肺炎球菌(定期接種)
救済制度で支給される主な給付内容
予防接種によって障害が残ってしまった場合、救済制度からは以下の給付が支給されます。
- 障害年金(18歳以上):障害が残った方が18歳以上の場合に、生活の維持のために支給されます。
- 障害児養育年金(18歳未満):障害が残ったお子様が18歳未満の場合に、その養育者に支給されます。
- その他:医療費・医療手当、死亡一時金、葬祭料などがあります。
障害年金と救済制度(障害年金・障害児養育年金)の決定的な違い
「予防接種健康被害救済制度で支給される障害年金」と「当センターが取り扱う通常の障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)」は、名前は同じですが全くの別制度です。
これらは支給元や根拠となる法律が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
18歳未満に支給される「障害児養育年金」は別制度
18歳未満のお子様にワクチンの副反応による障害が残った場合、救済制度から「障害児養育年金」が支給されます。
一方、通常の障害年金(障害基礎年金)は原則として「20歳以上」にならなければ受給できません。そのため、18歳未満の段階で国から障害に対する年金を受け取る場合は、この救済制度の「障害児養育年金」の手続きを市区町村の窓口で行う必要があります。
18歳以上が対象となる「障害年金」の違いと注意点
18歳以上の方が対象となる場合、救済制度の障害年金と、通常の障害年金には以下のような違いがあります。
| 項目 | 救済制度の「障害年金」 |
通常の「障害年金」(基礎・厚生)
|
| 根拠法律 | 予防接種法 |
国民年金法・厚生年金保険法
|
| 申請窓口 | お住まいの市区町村(役所) |
年金事務所・市役所の年金課
|
| 審査のポイント | ワクチン接種と障害の「因果関係」 |
日常生活や就労への「支障の程度」
|
| 併給の可否 | 条件を満たせば両方受給可能 |
条件を満たせば両方受給可能
|
👉 最も大きな違いは審査の焦点です。救済制度は「その障害が本当にワクチンによって起きたか」という因果関係が重視されますが、通常の障害年金は「今現在、どれだけ日常生活や仕事に困っているか」という状態そのものが審査されます。
ワクチンの健康被害(副反応)で通常の「障害年金」を受け取るための3つの要件
ワクチンの後遺症によって通常の障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)を申請する場合、通常の病気やケガと同じように以下の3つの要件をすべて満たす必要があります。
- 初診日要件:ワクチン接種後に初めて医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していること。
- 保険料納付要件:初診日の前日において、それまでの年金保険料を一定以上納めている(または免除されている)こと。
- 障害認定日要件:初診日から1年6ヶ月が経過した「障害認定日」、またはそれ以降の時点で、国が定める障害等級(1級〜3級)の基準に該当していること。
👉 障害年金では、原因がワクチン副反応であるかどうかよりも、「現在どの程度、日常生活や就労に支障があるか」が重視されます。
【重要】予防接種後に障害年金を申請する際の実務上の注意点
ワクチンの健康被害を理由に障害年金を申請する場合、実務上、特に注意しなければならないポイントが2つあります。
- 初診日の証明(受診状況等証明書)を確実に取得する: ワクチン接種直後に受診した病院と、現在通っている病院が異なる場合、一番最初の病院で「初診日の証明」を書いてもらう必要があります。「ただの副反応だと思って放置していた」「カルテが残っていない」という事態になると、初診日が出せなくなるリスクがあります。
- 医師に日常生活の実態を正確に伝える: 障害年金の審査は、ほぼ「医師が書く診断書」だけで決まります。ワクチンの後遺症(倦怠感、しびれ、慢性疲労、歩行困難など)による苦しみが、診断書にしっかりと反映されていなければ不支給になってしまいます。
👉 救済制度が国に認められたからといって、通常の障害年金が自動的に支給されるわけではありません。障害年金に特化した書類の作り込みが必要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 救済制度の「障害年金」をもらっていたら、通常の「障害年金」はもらえませんか?
A. いいえ、両方をもらえる可能性があります。 救済制度の給付と、通常の障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)は法律が異なるため、併給(両方を受け取ること)が可能です。ただし、通常の障害年金を受給する場合、救済制度側の給付額が一部調整(減額)される仕組みになっているため注意が必要です。
Q. 予防接種健康被害救済制度の申請も社労士事務所でやってもらえるのですか?
A. いいえ。誠に申し訳ありませんが、社労士が行うことができる業務の範疇には入っておりません。お住いの市区町村にお問い合わせをお願い致します。
Q. 新型コロナワクチンの副反応で働けなくなりました。障害厚生年金はもらえますか?
A. 要件を満たしていれば、もらえる可能性があります。 ワクチン接種後に初めて医師の診察を受けた日に「厚生年金」に加入しており、初診日から1年6ヶ月が経過した時点(またはそれ以降)でも仕事ができない状態が続いている場合、障害厚生年金(1級〜3級)の対象となる可能性があります。
Q. 自分で手続きするのと、社労士に依頼するのでは何が違いますか?
A. 書類の「説得力」と、手続きにかかる「精神的・身体的負担」が大きく異なります。 ワクチンの後遺症は症状が多岐にわたり、検査数値に現れにくいケースも多いため、医師に実態に即した診断書を書いてもらうことが非常に困難です。障害年金専門の社労士が介入することで、医師への正確な情報伝達をサポートし、実態に沿った診断書の作製が行いやすくなります。
Q. HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)後遺症でも障害年金は対象になりますか?
A. はい。障害年金の対象になります。 障害年金は「症状名」ではなく「日常生活への支障」で審査されます。
まとめ|「どちらか一方」ではなく、両方の制度の確認が重要です
予防接種による健康被害で重い障害が残ってしまった場合、利用できる公的制度は一つだけではありません。
- 📌 市区町村窓口の「予防接種健康被害救済制度」はワクチンとの因果関係を審査
- 📌 年金事務所窓口の「通常の障害年金」は日常生活の支障の程度を審査
- 📌 両方の要件を満たしていれば、双方から給付を受けられる可能性がある
- 📌 どちらの制度も書類の準備や初診日の証明が非常に複雑である
「片方の制度しか知らなかった」「窓口でダメだと言われて諦めてしまった」ということのないよう、まずは専門家へ相談し、ご自身の状況でどちらの制度が活用できるかを整理することをおすすめします。
ご相談について
当センターでは、ワクチンの副反応や後遺症でお悩みの多くの方から、障害年金に関するご相談をお受けしています。体の調子が優れない中で、複雑な年金の手続きをご自身だけで進めるのは、精神的にも身体的にも大きな負担となります。
「自分の症状で障害年金がもらえるのか知りたい」「何から手をつければいいか分からない」という段階でも構いません。当センターでは初回の相談を無料で承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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