「働いていると障害年金は貰えないのでしょうか?」
よくあるご質問の一つです。これは病気の種類によると言えるでしょう。
眼や聴覚、肢体などの場合、障害の程度が数値として表されたり、動作程度などによって示すことができるため、一定の障害基準を満たしていれば、働いていることが障害年金に影響することはあまりありません。
また人工透析導入や人工関節置換のようにある一定の状態にある場合には、就労していても影響されることはありません。
一方、ガンや難病、その他内科系疾患(数値や状態で障害等級が決められているものを除く)の場合、
診断書の一般状態区分が重要になってきます。
通常に働けておりますと一般状態区分を、
「ア 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの」
にされてしまう可能性が高くなると思います。
ここにつけられてしまうと年金は非常に厳しいでしょう。
同じ就労でも軽作業や事務ですと
「イ 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが歩行、軽労働や座業はできるもの
例えば、軽い家事、事務など」
につけてもらえる可能性はあります。この場合は3級に認めてもらえる可能性がでてきます。
ただ勘違いしないでほしいのですが、「一般状態区分」だけで等級が決まるのもではありません。診断書の他の部分も参考にされ、総合的に判断されることを付け加えておきます。
精神障害の場合には、就労状況は年金の受給に関係してくると言えるでしょう。ただ障害認定基準には就労に関してこのような記述があります。
「現に仕事に従事している者に ついては、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で 受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。」
つまりただ就労しているというだけで判断するのではなく、
働いている状態を良く考慮するよう求めているのです。
一般雇用でフルタイム勤務をしている場合ですと
健常者と同じ労働条件で働けており「労働能力がある」と判断され、障害年金の受給は難しいと思います。
これが「障害者雇用」ですと、仕事が限定されている、残業は免除されている、同僚の援助を受けながら仕事をしている等、会社から特別な配慮がなされている場合が多いので、
この場合は「労働能力がある」とは言い難いでしょう。
またA型事業所やB型事業所、就労移行支援施設などで勤務している、又は利用している場合も「労働能力がある」とは言えないでしょう。
ただ最近ではある程度の収入がありますと、障害者雇用でも認めてもらえないケースが出てきています。
それなりの収入があると「働けていますね」と見做されてしまう訳です。この様な場合には、障害者雇用だからといって安易に申請するのではなく、ちょっとした工夫が必要です。
弊所では就労中でも障害年金を受給している方は大勢いらっしゃいます。申請に不安があるという方はお気軽にご相談ください。