【社労士監修】障害認定日とは?人工透析・ペースメーカー・人工関節の特例一覧と遡及請求を解説
【結論】障害年金の「障害認定日」とは、病気やケガの程度を審査して受給資格の有無を判定する「基準日(スタートライン)」を指します。
原則として、初めて医師の診察を受けた「初診日」から起算して1年6か月を経過した日が障害認定日となります。しかし、特定の医療処置や手術を行った場合は、1年6か月を待たずに数か月で手続きに進める「重要な特例」が多数存在します。この特例やルールへの理解が不足していると、受け取れる可能性のある年金を長期間放置してしまうなど、不利益につながるケースがあるため事前の確認が大切です。
この記事が向いている方
✅ 自分がいつから障害年金の申請へ進めるのか知りたい方
✅ 人工透析、人工関節、ペースメーカー、脳梗塞などの治療を受けている方
✅ 1年6か月待たずに、早めのルートで障害年金の手続きを行いたい方
✅ 過去に遡って年金を受給する「遡及請求」を検討している方
この記事の目次
- 【結論】障害年金の「障害認定日」とは障害の程度を定める基準日
- 【重要】1年6か月待たなくてよい「障害認定日の特例」一覧
- 特殊なケースにおける障害認定日の注意点
- 障害認定日を正しく把握する2つの大きなメリット
- 新横浜・川崎障害年金相談センターによる確実な認定日特定サポート
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
- ご相談について
【結論】障害年金の「障害認定日」とは障害の程度を定める基準日
障害年金の審査においては、「障害認定日(基準日)」の時点でどのような障害状態にあるかが重要視されます。障害認定日は、請求する傷病や初診時の年齢などによって、以下の3つの基本的なパターンに分かれています。
- 原則(通常の傷病) 初診日から起算して1年6か月を経過した日(例:1月15日が初診なら、翌年7月15日)。
- 治った日(症状固定) 1年6か月以内に病気やケガが「治った日」、または「症状が固定し、これ以上回復も悪化もしない状態」になった日。
- 20歳前障害(知的障害や生まれつきの疾患など) 初診日が20歳前にある場合、1年6か月経過した日が「20歳前」であれば、20歳の誕生日の前日が障害認定日となる傾向があります。
👉 申請手続きは、この障害認定日を過ぎてからでなければ、診断書を提出して審査を受けることができません。
【重要】1年6か月待たなくてよい「障害認定日の特例」一覧
特定の医療処置や手術、身体的欠損が生じた場合、国が定める「治った日(症状固定)」とみなされ、1年6か月を待たずにその処置日・手術日が障害認定日(特例)となる場合があります。
以下に該当する処置・手術を行った方は、その基準日に達した段階から障害年金のお手続きの準備に入ることが可能です。
|
人工透析療法を行っている場合 |
透析を初めて受けた日から起算して3か月を経過した日 |
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人工骨頭または人工関節を挿入置換した場合 |
挿入置換した日 |
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心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)、CRT、CRT-Dまたは人工弁を装着した場合 |
装着した日 |
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人工肛門※の増設または尿路変更術を施術した場合 |
造設または手術をした日から起算して6か月を経過した日 |
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新膀胱を増設した場合 |
増設した日 |
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切断または離断による肢体の障害 |
切断または離断した日(障害手当金または旧法の場合は、創面が治癒した日) |
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咽頭全摘出の場合 |
全摘出した日 |
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在宅酸素療法を行っている場合 |
在宅酸素療法を開始した日(常時使用の場合) |
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脳血管疾患による機能障害 |
初診日から6か月経過した日以後であって、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めないと認められるとき |
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胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤により人工血管(ステントグラフトを含む)を挿入置換した場合 |
挿入置換した日 |
|
現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できない場合 |
初診日から6か月を経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置が行われており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき |
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遷延性植物状態※ |
その状態に至った日から起算して3か月を経過した日以降に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき |
障害認定日請求と事後重症請求の違い
| 項目 | 障害認定日請求 | 事後重症請求 |
| 判定時点 | 認定日 | 現在 |
| 遡及受給 | 可能 | 不可 |
| 最大受給額 | 5年分 | 請求月翌月から |
脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)における「症状固定」の判断基準
脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患によって肢体に麻痺が残った場合、「初診日から6か月が経過した日以降」に、主治医が「これ以上の機能回復がほとんど望めない(症状固定)」と判断した日が障害認定日となることがあります。
リハビリを継続している場合であっても、医学的観点から維持目的(回復のためのリハビリではない)と認められれば、6か月で手続きに進めるケースが見られます。
特殊なケースにおける障害認定日の注意点
特例に該当する傷病や手術が複数重なっている場合や、意識障害が続く重篤なケースでは、障害認定日の特定に特殊なルールが適用される傾向があります。
人工肛門の造設と他の手術が重なった場合
例えば、大腸がんなどの治療において「人工肛門の造設」と「新膀胱の造設(または尿路変更術)」を同時に、あるいは時期をずらして併せて行った場合は、それぞれの特例基準日の「いずれか遅い日」が全体の障害認定日となる場合があります。ただし、これも初診日から1年6か月を超えない範囲での判定となります。
遷延性植物状態の定義と6つの要件
病気や事故により、いわゆる「植物状態(遷延性植物状態)」になってしまった場合、その状態に至った日から起算して3か月を経過した日以降に、医師が回復困難と判断すれば特例が認められる可能性があります。具体的には、以下の6つの要件が3か月以上継続していることが条件とされています。
- 自力で移動できない
- 自力で食物を摂取できない
- 糞尿失禁(排泄コントロールができない)状態である
- 目で物を追うことはあるが、それを認識することはできない
- 「手を握って」などの簡単な命令には応じることもあるが、それ以上の意思疎通ができない
- 声を出すことはあっても、意味のある言葉(発語)にはならない
障害認定日を正しく把握する2つの大きなメリット
ご自身の「障害認定日」を正確に知ることは、障害年金の手続きにおいて大きなメリットをもたらす可能性があります。
① 適切な時期に年金の受給を開始できる
特例を知らずに「どんな病気でも一律で1年6か月待たなければならない」と思い込んでいると、人工透析や人工関節などの場合、1年近く早く進められたはずの手続きを逃してしまうことになります。年金は請求時期が遅くなると、過去分を受け取れなくなるリスクが生じるため注意が必要です。
② 過去に遡って受給する「遡及請求」の基準になる
「何年も前から障害状態だったのに、制度を知らずに今になって初めて申請する」という場合、過去の年金を受け取ることができる「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」の手続きへ進める場合があります。ただし、障害年金の時効は5年であるため、認定日時点で受給権が発生していても、実際に受け取れる過去分は請求時点から最大5年分に制限されます。
👉 遡及請求を検討する際には、「障害認定日から3か月以内」に医師が作成した当時の診断書を病院から取り寄せる必要があります。
新横浜・川崎障害年金相談センターによる確実な認定日特定サポート
社会保険労務士法人 ポラリス・コンサルティングが運営する「新横浜・川崎障害年金相談センター」では、複雑な障害認定日の特定から、スムーズな申請手続きまでトータルでサポートを行っています。
当センターでは、これまでに11,700件以上の豊富な相談実績があり、脳血管疾患でリハビリ中の症状固定に関する確認や、複数のがん手術を経験された方の複雑な認定日特定を数多く取り扱ってきました。
「自分の場合は1年6か月待つ必要があるのか?」「何年も前の認定日まで遡って受給できる可能性があるか?」など、少しでも疑問をお持ちの方は、ぜひ当センターの無料相談をご利用ください。専門の社労士が、あなたにとって適切な申請時期をアドバイスいたします。
当センターの受給事例|認定日の特例で障害年金を受給したケース
当センター(新横浜・川崎障害年金相談センター)でサポートし、受給した実際の事例をご紹介します。
【事例①】
- ご相談者:60代女性(無職)
- 結果:障害厚生年金3級(年額 約59万円、遡及額約315万円を受給)
【事例②】
- ご相談者:40代男性(会社員)
- 結果:障害共済年金2級(年額 約229万円、遡及額約1128万円を受給)
人工透析を一旦離脱しながらも遡及請求が認められ、障害共済年金2級を取得、年額229万円、遡及で1,128万円を受給できたケース
障害認定日を間違えやすい5つのケース
- 初診日を間違えている
- 転院を初診日と思い込んでいる
- 人工透析の認定日を勘違いしている
- 脳梗塞の症状固定日を誤解している
- 事後重症請求と混同している
よくある質問(FAQ)
Q. 20歳になる前に初診日がある場合、いつが障害認定日になりますか?
A. 「初診日から1年6か月が経過した日」と「20歳の誕生日の前日」の、いずれか遅い方の日となる傾向があります。 例えば、18歳0か月で初診を受けた場合、1年6か月後は19歳6か月ですが、受給資格が発生するのは20歳からであるため「20歳の誕生日の前日」が認定日となります。逆に、19歳6か月以降に初診がある場合は、20歳を過ぎてから1年6か月が経過した日が認定日となるケースが一般的です。
Q. 主治医に「症状固定」と言われれば、どんな病気でも1年6か月待たずに申請できますか?
A. いいえ、すべての傷病で症状固定による短縮が認められているわけではありません。 1年6か月を短縮できるのは、法律で明記されている「人工透析」「人工関節」「脳血管疾患(6か月経過以降)」などの特例傷病に限られるケースが多いです。例えば、うつ病などの精神疾患や、一般的な内臓疾患などは、原則通り1年6か月を待つ必要があると考えられます。
Q. 人工肛門を造設しました。認定日は「造設した日」ですか、それとも「6か月後」ですか?
A. 原則として「人工肛門を造設した日から6か月を経過した日」が障害認定日となります。 ただし、その6か月を経過した日が、初診日から数えて1年6か月を超えてしまうような場合は、通常の原則通り「初診日から1年6か月が経過した日」が優先されて認定日となる仕組みです。
Q. 障害認定日当時の病院が廃院していて、当時の診断書が書けない場合は遡れませんか?
A. 当時のカルテ(医証)が完全にない場合、過去に遡る「遡及請求」の手続きは難しくなる傾向があります。 ただし、当時の通院を証明する別の客観的資料(診察券、お薬手帳、他の病院への紹介状など)が残っていれば、例外的に認められる事例もあります。まずは一度、当センターのような専門の社労士へご相談いただくことをおすすめします。
まとめ|障害認定日を正しく知ることが受給への近道
- 障害認定日とは障害の程度を定める基準日で、原則は「初診日から1年6か月後」
- 人工透析(3か月)、人工関節(手術日)、脳梗塞(6か月以降の症状固定)など、待たずに申請できる特例が多数ある
- 特例を把握しておくことで、通常よりも早めに障害年金の手続きを開始できる可能性がある
- 過去に遡って受給する「遡及請求」においては、障害認定日当時の診断書が取れるかが重要
- 複数の手術や脳疾患など、認定日の判断が難しい場合は自己判断せず専門家に確認するのが確実
ご相談について
「自分はいつから申請できるのか?」という障害認定日の判断に迷うと、長期間の年金を請求し損ねるなど、不利益につながるケースがあります。特に心疾患や脳梗塞、がんの治療などで複数の手術を経験されている場合、制度の組み合わせは非常に複雑です。
状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。
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TEL:045-594-8864 平日 8:30~17:30(受付は24時間対応。原則翌営業日にご連絡いたします)
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