【社労士監修】ADHDで障害年金はもらえる?受給条件・等級・通らない理由を完全解説

最終更新日: 2026-5-15 社会保険労務士 遠藤 隆

【結論】ADHD(注意欠如多動性障害)でも障害年金は受給可能です。

ADHDでも、仕事や日常生活に支障があれば障害年金を受給できる可能性があります。重要なのは診断名そのものではなく、「具体的な生活の困難さ」や「仕事での支障」が、国の定める認定基準に該当するかどうかです。

この記事が向いている方

✅ ADHDと診断され、ミスや遅刻が原因で仕事が続かず悩んでいる方
✅ 片付けや金銭管理、行政手続きなど日常生活に家族のサポートが必要な方
✅ 自分が障害年金の対象になるのか、1分程度で目安を知りたい方
✅ 医師に自分の症状をどう伝えれば不支給を避けられるか知りたい方

この記事の目次

  • 【結論】ADHDでも障害年金は受給可能です
  • 【1分チェック】ADHDで障害年金の対象になる可能性が高い方
  • ADHD(発達障害)で障害年金を受給するための3つの必須条件
  • 【等級の目安】ADHDの認定基準(1級・2級・3級)
  • ADHD特有の審査ポイント|就労状況と環境が合否を分ける
  • 【リアル事例】ADHDで障害基礎年金2級(遡及額406万円)を受給したケース
  • 働きながらでも受給できる?審査に影響する「就労の配慮」
  • ADHDで「通らない・不支給」になる本当の理由と対策
  • 障害年金はいくらもらえる?受給額の目安
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ|ADHDの申請は「書類の具体性」が成功の鍵

【1分チェック】ADHDで障害年金の対象になる可能性が高い方

ADHDの方で、以下の項目に1つでも当てはまる場合は受給の可能性があります。

  • 仕事の継続困難:ミスや不注意が原因で解雇や転職を繰り返している。
  • 日常生活の麻痺:食事・片付け・入浴・金銭管理が一人では計画的に行えない。
  • 社会性の欠如:衝動的な発言や行動で対人トラブルが絶えず、孤立している。
  • 外部援助の必要性:家族や支援者がいないと、薬の服用や日常生活が成り立たない。

👉 これらの「できないこと」が、書類上で客観的に証明できるかどうかがポイントです。

ADHD(発達障害)で障害年金を受給するための3つの必須条件

障害年金を受給するには、以下の3つのハードルをすべて超える必要があります。

① 初診日要件:初めて医師の診察を受けた日はいつか

ADHDに関連する症状(不注意や多動など)で、初めて医療機関を受診した日を特定します。発達障害の場合、幼少期の受診が初診日となるケースもあれば、大人になってから初めて受診した日が初診日になるケースもあります。

② 保険料納付要件:年金保険料の未納がないか

初診日の前日時点で、年金保険料を一定以上納付(または免除)している必要があります。 ※20歳前に初診がある場合は、納付要件は問われません。

③ 障害状態要件:認定基準に該当する状態か

初診日から1年6ヶ月経った日(障害認定日)以降に、後述する「障害等級」に該当する状態であることが必要です。

【等級の目安】ADHDの認定基準(1級・2級・3級)

等級 障害の状態(認定基準の目安) 対象となる年金
1級 社会性やコミュニケーション能力が欠如。著しい不適応行動により、日常生活に常時援助が必要な状態。 基礎・厚生
2級 日常生活に著しい制限がある状態。一人暮らしは困難で、家族等の多大な援助が必要。就労も困難。 基礎・厚生
3級 日常生活には大きな支障はないが、労働が著しい制限を受ける状態。会社での多大な配慮が必要。 厚生年金のみ

ADHD特有の審査ポイント|就労状況と環境が合否を分ける

ADHDの審査では、「仕事ができているか」が非常に重く見られます。

  • 就労の安定性:短期間で離職を繰り返している場合、就労能力が低いと判断されやすくなります。
  • 一人暮らしの有無:一人暮らしをしていると「日常生活能力がある」とみなされ、等級が下がる傾向にあります。ただし、家族が頻繁に訪問して家事を手伝っている場合は、その実態を正確に伝える必要があります。

👉 「何とか働けている」という状態でも、職場の配慮や家族の支援がなければ破綻しているのなら、それは受給の対象となり得ます。

当センターでの統合失調症の受給事例

【事例①】

ADHDで日常生活全般において家族や支援者の助けが必要な生活となり障害基礎年金2級を取得、年額82万円を受給できたケース

【事例②】

ADHD、広汎性発達障害により社会性に乏しく対人関係のトラブルが絶えない状態となり障害基礎年金2級を取得、年額83万円を受給できたケース

ADHD(発達障害)の受給事例をもっと見る

働きながらでも受給できる?審査に影響する「就労の配慮」

結論から言えば、ADHDで働きながら障害年金を受給することは可能です。

ただし、以下の「配慮」を受けていることが条件になる場合が多いです。

  • 障害者雇用での就労、または特例子会社での勤務。
  • 一般雇用でも、仕事内容が限定されている(単純作業のみ等)。
  • 頻繁な遅刻・早退・欠勤が許容されている。
  • ジョブコーチや支援員が職場に入っている。

👉 「援助があるから働けている」という実態を書類で証明することが不可欠です。

ADHDで「通らない・不支給」になる本当の理由と対策

ADHDの方が不支給になる主な原因は、「診断書の内容が実態より軽い」ことです。

  • 医師との認識ズレ:診察時に「最近どうですか?」と聞かれ、つい「大丈夫です」と答えてしまう。
  • 日常生活能力の過大評価:掃除や洗濯、金銭管理ができるかどうかについて、医師が「できる」と判断してしまう。
  • 申立書が抽象的:本人が書く申立書に「集中できない」としか書いておらず、具体的な支障が伝わっていない。

👉 対策として、当センターでは日常生活の困難さを可視化した「生活状況報告書」を作成し、医師に提供しています。

障害年金はいくらもらえる?受給額の目安

2026年度現在の受給額の目安は以下の通りです。

  • 障害基礎年金(2級):847,300円〜/年(+子の加算)
  • 障害厚生年金(2級):約100万円〜200万円以上/年(給与額等による)
  • 障害厚生年金(3級):635,500円〜/年(最低保証額)

よくある質問(FAQ)

Q. ADHD単独の診断でも障害年金はもらえますか?

A. はい、もらえます。 以前は知的障害を伴わない発達障害は認定が厳しい傾向にありましたが、現在はADHD単独であっても、生活や仕事に重大な支障があれば認定の対象となります。

 

Q. 子供の頃にADHDと診断されましたが、今は通院していません。申請できますか?

A. 改めて受診が必要です。 障害年金の申請には「現在」の診断書が必要不可欠です。また、子供の頃の初診を証明できる資料(診察券や母子手帳など)が残っているか確認してください。

 

Q. 障害者手帳を持っていませんが、申請できますか?

A. はい、申請できます。 障害者手帳と障害年金は全く別の制度です。手帳を持っていなくても、年金の認定基準を満たしていれば受給可能です。

 

Q. 自分で申請して不支給になりました。再申請は可能ですか?

A. 可能です。 不支給になった原因を分析し、診断書や申立書の内容を適正に修正して再申請(再請求)を行うことで、逆転受給できるケースは多々あります。

まとめ|ADHDの申請は「書類の具体性」が重要なポイント

  • ADHDは日常生活や就労に支障があれば、障害年金の対象になる
  • 審査は100%書類で行われるため、「できないこと」の具体性が命
  • 「働いている=不支給」ではなく、職場の配慮の実態が重要
  • 医師に実態を正しく伝える準備が、不支給を避ける最大の対策

ADHDの特性による「生きづらさ」は、目に見えにくいため、書類で正しく伝えるには専門的なノウハウが必要です。

ご相談について

ADHDで仕事が続かない、生活が苦しいと感じているあなたへ。障害年金は、あなたが無理なく社会と関わっていくための「命綱」となる制度です。

状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。

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