【社労士監修】在宅酸素療法で障害年金はもらえる? 受給条件と3級認定の特例を解説
最終更新日: 2026-4-17 社会保険労務士 遠藤 隆
【結論】24時間在宅酸素療法(HOT)を施行している方は、障害年金3級以上に認定される可能性が非常に高いです。
間質性肺炎やCOPDなどで常時酸素吸入が必要な状態は、国が定める障害認定基準において明確に「3級」の基準として示されています。また、通常1年6ヶ月待つ必要がある「障害認定日」を、酸素療法を開始した日まで短縮できる特例があることも大きな特徴です。
この記事が向いている方
✅ 間質性肺炎や肺気腫などで24時間在宅酸素療法を開始した方
✅ 在宅酸素を導入したが、初診日から1年6ヶ月経過していない方
✅ 呼吸が苦しく、日常生活や仕事に著しい制限がある方
✅ 自分の病状でいくら障害年金がもらえるのか知りたい方
この記事の目次
- 【結論】24時間在宅酸素療法(HOT)は障害年金3級の認定対象です
- 在宅酸素療法の方が知っておくべき「障害認定日の特例」メリット
- 在宅酸素療法で障害年金を受給するための3つの要件
- 【等級別】在宅酸素療法でもらえる障害年金の金額目安
- 初診日に「厚生年金」か「国民年金」かで受給可否が変わる?
- 呼吸器疾患での申請における「診断書」作成の重要ポイント
- 当センターによる呼吸器疾患の受給事例
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
【結論】24時間在宅酸素療法(HOT)は障害年金3級の認定対象です
常時(24時間)の在宅酸素療法を施行している場合、原則として障害年金3級に認定されます。
障害認定基準の「呼吸器疾患による障害」では、在宅酸素療法について以下のように定められています。
ア 常時(24時間)の在宅酸素療法を施行中のもので、かつ、軽易な労働以外の労働に常に支障がある程度のものは3級と認定する。
※引用:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準
👉 つまり、24時間酸素を吸入しており、事務作業や軽い家事以外の「肉体的な労働」が困難な状態であれば、3級の受給資格を得られる可能性が極めて高いということです。
検査結果や日常生活の状況次第では「2級以上」の可能性も
在宅酸素をしていれば3級が目安となりますが、認定基準には「臨床症状、検査成績及び具体的な日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する」とも明記されています。 動脈血ガス分析の値や、呼吸困難のために着替えや入浴にも介助が必要な場合などは、2級以上に認定され、より手厚い支給を受けられるケースがあります。
在宅酸素療法の方が知っておくべき「障害認定日の特例」メリット
在宅酸素療法を開始した方は、初診日から1年6ヶ月を待たずに障害年金を請求できる「特例」が受けられます。
通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)にならないと請求できません。しかし、一部の治療については「その日をもって症状が固定した」とみなす特例が存在します。
通常1年6ヶ月待つところを「開始した日」に短縮できる
在宅酸素療法(HOT)を開始した場合、「在宅酸素療法を開始した日」が障害認定日となります。
- 具体例: 初診から3ヶ月後に在宅酸素を開始した場合、本来の1年6ヶ月を待たず、その開始日から請求の手続きが可能です。
👉 これにより、早い段階から経済的な支えを得ることができます。ただし、初診日から起算して1年6ヶ月を超える場合は、1年6ヶ月経過日が認定日となります。
在宅酸素療法で障害年金を受給するための3つの要件
障害年金を受給するためには、傷病名だけでなく以下の3つの法的要件をすべて満たす必要があります。
- 初診日要件 その病気で初めて医師の診察を受けた日(初診日)を特定でき、客観的な証明(受診状況等証明書)が取れること。
- 保険料納付要件 初診日の前日において、一定期間以上の年金保険料を納めていること。
- 障害状態要件 障害認定日において、国が定める障害等級(1級〜3級)の基準に該当していること。
在宅酸素療法の多くは、このうち「障害状態要件」をクリアしやすい傾向にありますが、初診日の特定や納付要件でつまずくケースも多いため、注意が必要です。
【等級別】在宅酸素療法でもらえる障害年金の金額目安
障害年金で受給できる金額は、加入している年金制度や家族構成によって異なります。
| 等級 | 障害基礎年金(自営業・主婦等) | 障害厚生年金(会社員・公務員等) |
| 1級 | 約105万円 + 子の加算 | 報酬比例の年金額1.25倍 + 配偶者加配 |
| 2級 | 約84万円 + 子の加算 | 報酬比例の年金額 + 配偶者加配 |
| 3級 | なし(受給不可) | 報酬比例の年金額(最低保証あり:約64万円) |
※金額は2026年度の目安です。
👉 24時間在宅酸素療法の方は「3級」がベースとなるため、会社員時代に初診日がある方は受給できる可能性が非常に高いですが、自営業(国民年金)の方は「2級」以上に該当する必要があります。
初診日に「厚生年金」か「国民年金」かで受給可否が変わる?
在宅酸素療法で3級に該当する場合、初診日に「厚生年金」に加入していたかどうかが非常に重要です。
- 初診日が厚生年金加入中の場合: 3級から受給可能です。24時間在宅酸素をしていれば、多くの方が受給対象となります。
- 初診日が国民年金加入中の場合: 2級以上でなければ受給できません。この場合、酸素吸入の有無だけでなく、検査数値(血液ガス分析や肺機能検査)や、日常生活がどれだけ制限されているかを厳密に証明し、2級を狙う必要があります。
呼吸器疾患での申請における「診断書」作成の重要ポイント
障害年金の審査は、ほぼ「書類」だけで行われます。特に医師が作成する**「診断書(呼吸器疾患用)」**の内容が合否を分けます。
- 一般状態区分表のチェック: 診断書には日常生活の自立度を「ア〜オ」で示す項目があります。「イ(軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行や座業はできる)」以上に該当していることが3級認定の目安です。
- 動脈血ガス分析値: 酸素吸入「なし」の状態での数値が重要ですが、測定が困難な場合は吸入時の数値を記入します。
- 自覚症状の記載: 少し動くだけで息切れがする、階段を登れない、着替えに時間がかかるなど、具体的な苦しさを医師に正確に伝え、反映してもらう必要があります。
👉 当センターでは、医師に実態を正しく伝えるための「診断書作成依頼資料」の作成サポートを行っています。
当センターによる呼吸器疾患の受給事例
新横浜・川崎障害年金相談センターでは、間質性肺炎やCOPDなどでの受給実績が多数ございます。
- 事例A:間質性肺炎(50代・男性) 仕事中に息切れを感じ受診。24時間在宅酸素を開始。厚生年金加入中だったため、認定日の特例を利用して早期に**障害厚生年金3級(年額約80万円)**を受給。
- 事例B:COPD(60代・女性) 階段の昇り降りが困難になり、在宅酸素を導入。検査数値が悪化していたため、日常生活の支障を詳細に申し立てた結果、**障害基礎年金2級(年額約81万円)**に認定。
よくある質問(FAQ)
Q. 24時間ではなく、夜間だけ酸素吸入をしている場合はどうなりますか?
A. 原則として、3級の「常時施行」の基準には該当しません。 ただし、夜間のみであっても検査数値(肺機能や動脈血ガス分析)が一定の基準以下である場合や、日常生活に著しい支障がある場合は、別の基準で2級や3級に認定される可能性があります。
Q. 働きながらでも在宅酸素療法をしていればもらえますか?
A. はい、受給できる可能性があります。 呼吸器疾患の場合、在宅酸素をしながら事務職などで働いている方も多いです。「軽易な労働以外の労働に支障がある」という状態であれば、就労していても3級認定の対象となります。
Q. 在宅酸素を開始してすぐ申請できますか?
A. はい、開始日が認定日となるため可能です。 ただし「初診日」から数えて1年6ヶ月を過ぎていないことが条件です。初診日からすぐに酸素導入となった場合は、待機期間なしで手続きを進められる大きなメリットがあります。
Q. 障害者手帳を持っていなくても申請できますか?
A. はい、可能です。 障害者手帳と障害年金は全く別の制度です。手帳が3級であっても、年金が2級になることもあれば、その逆もあります。年金独自の認定基準で審査されます。
まとめ|在宅酸素療法と障害年金
- 24時間在宅酸素療法(HOT)中なら、原則として障害年金3級に該当する
- 「開始した日」が認定日になる特例があり、1年6ヶ月待たずに申請できる場合がある
- 初診日が「国民年金」の方は、2級以上の認定が必要になるため専門的な対策が不可欠
- 診断書に「日常生活の苦しさ」をいかに正確に反映させるかが成功の鍵
在宅酸素療法をされている方は、身体的な負担だけでなく、電気代の増加や医療費の負担など、経済的な不安も大きいかと思います。障害年金はその不安を解消するための権利です。
ご相談について
在宅酸素療法を開始されたばかりの方や、呼吸が苦しく外出が困難な方でも、当センターではLINEや電話、オンラインでのご相談を承っております。
状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。
無料相談のご予約方法
お電話かお問い合わせフォームよりご相談ください。
TEL:045-594-8864 平日 8:30~17:30(受付は24時間対応。原則翌営業日にご連絡いたします)
▶ 無料相談のお申し込みはこちら ▶ 実際に受給された事例はこちら
投稿者プロフィール

- 当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は神奈川県横浜市・川崎市を中心に、全国対応の障害年金 申請サポートを行っております。 障害年金について少しでも疑問、質問、不安のある方の相談にのり、「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。サポート依頼をするかどうかは後で決めれば良いです。まずはお気軽に相談ください。相談実績11,700件以上の事例をもとに、一緒に考え、解決していきましょう!


初めての方へ




