こんにちは社会保険労務士の遠藤です。
人工血管を装着置換している方は障害年金の対象です。
こちらの記事では人工血管の方が障害年金を申請する際のポイントをお伝えします。
もくじ
障害年金とは
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができる年金です。
原則20歳から64歳が対象です。
人工血管とは
大動脈瘤(大動脈にコブができる病気)や大動脈解離(血管の内膜が裂けて剥がれる病気)の治療で、患部の血管を人工血管に置き換える手術のことを人工血管置換術といいます。
胸部大動脈解離とは
胸部大動脈解離は、しばしば死に至る病気で、大動脈の壁の内層(内膜)が破れて、壁の中間層から剥がれる病態です。
ほとんどの大動脈解離は、高血圧によって動脈の壁が劣化することが原因で発生します。
一般的には、耐えがたい激痛が突然胸部に起こりますが、背中の肩甲骨の間に痛みが生じることもあります。
診断を確定するには、通常はX線検査またはCT検査を行います。
通常は血圧を下げる薬を投与するとともに、外科手術を行って裂けた部分を修復するか、ステントグラフトを挿入して裂け目を覆います。
胸部大動脈瘤
胸部大動脈瘤とは、大動脈が胸部を通過する部分の壁に膨らみ(拡張)が生じた状態のことです。
胸部大動脈瘤では、症状が現れない場合もありますが、痛み、せき、喘鳴がみられる場合もあります。
大動脈瘤が破裂すると、耐えがたい激痛が起こり、血圧が低下し、死に至ります。
動脈瘤は、ほかの理由で行われた画像検査で偶然発見されることが多く、その場合は、X線検査やCT検査などの画像検査を行って、動脈瘤の大きさと正確な位置を把握します。
動脈瘤が破裂する前に外科手術による修復を試みます。
人工血管は障害年金何級?
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認定基準
障害年金は認定日時点の症状で等級が決まります。
人工血管の方は原則3級です。
・大動脈疾患
障害の程度 |
障 害 の 状 態 |
3 級 |
1 胸部大動脈解離(Stanford 分類A型・B型)や胸部大動脈瘤により、人工血管を挿入し、かつ、一般状態区分表のイ又はウに該当するもの 2 胸部大動脈解離や胸部大動脈瘤に、難治性の高血圧を合併したもの |
・ 胸腹部大動脈瘤には胸腹部大動脈瘤を含む
・ 大動脈瘤の定義:嚢状のものは大きさを問わず、紡錘状のものは、正常時(2.5~3cm) の1.5 倍以上のものをいう。(2倍以上は手術が必要。)
・ 人工血管にはステントグラフトも含まれる。
人工弁で障害年金を申請するポイント
①対象傷病
対象傷病は胸部大動脈解離(Stanford 分類A型・B型)や胸部大動脈瘤限定です。
その他の傷病で人工血管に置換しても対象にはなりません。
②初心日と認定日は?
それぞれ手術で装着した日が初診日から起算して1年 6 月以内であれば、その装着日が障害認定日になります。
従いまして初診日からすぐ手術という場合には、遡及請求を行うことができるわけです。
③加入している年金制度
人工血管置換の場合、障害等級は3級ですので、初診日は厚生年金加入中でなければなりません。
初診日が自営業ですとか主婦であった場合、障害基礎年金になりますので、これだけでは障害年金の対象にはなりません。
ただし、特別支給の老齢厚生年金を受給中の方は、障害年金は不支給でも老齢年金の障害者特例の対象になりますので、老齢年金が増える可能性があります。
④遡及請求をする際…
遡及請求を行う場合、人工弁やペースメーカーの場合ですと障害認定日と請求日が1年以上離れていても、請求日の診断書1枚だけで遡及請求をすることができます。
しかし、人工血管で申請する場合はこの扱いが認められていないので、原則通り診断書を取得する必要があります。
⑤一般状態区分も重視される
人工弁やペースメーカーの場合、装着していれば3級に認めてもらえます。
しかし人工血管の場合、置換に加え一般状態区分がイ又はウでなければなりません。
病院によっては手術日から3か月経過して、病状が回復した状態でないと診断書を書いてくれない病院があります。
この場合一般状態区分はアにされる可能性があり、この場合は障害年金を受給できません。
人工血管で障害年金をもらえない人は?
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腹部大動脈瘤の傷病の方は障害年金をもらうことはできません。人工血管の認定基準にそれらの傷病は当てはまらないからです。
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初診日の時点の加入年金が基礎年金の方はもらうことができません。厚生年金に加入している方でないと人工血管で障害年金を受給することはできません。
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一般状態区分がイ又はウでない方は障害年金を受給することができません。
当事務所のサポート事例
男性(30代):休職中
傷病名:急性大動脈解離stanfordA型
居住地:神奈川県
決定した年金種類と等級:障害厚生年金3級
受給額: 年額65万円、遡及額32万円円
在宅勤務中に突然の胸、背部の激痛があり数分間動けなくなりました。検査の結果、大動脈スタンフォードA型と診断されました。
大きな病院へ緊急搬送され、胸部大動脈瘤人工血管置換手術を行いました。退院後は近医で月1回受診しています。
術後より体力の低下が著しく、休職を余儀なくされ、現在も創部、肋骨等の疼痛があり、長時間の同一体位は困難です。
日常生活においては基本できるもの、時には援助が必要であり、また著しい体力低下のため休憩が必須の状況となっています…
☆人工弁のサポート事例一覧はこちら☆
障害年金を申請する上で…
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