【社労士解説】高次脳機能障害で障害年金はもらえる? 受給のポイントと等級目安
最終更新日: 2026-4-10 社会保険労務士 遠藤 隆
【結論】高次脳機能障害は障害年金の対象|ただし“日常生活能力”がカギ
高次脳機能障害は、障害年金の対象となる代表的な疾患の一つです。認定されるケースも多い一方で、申請しても不支給となるケースも少なくありません。その分かれ目になるのは、症状の重さそのものではなく「日常生活や社会生活にどれだけ支障があるか」です。
【重要】このような状態は受給の可能性があります
以下に当てはまる場合は、受給の可能性があります。
- 一人では生活が回らず、家族のサポートが必要
- 何度も同じことを繰り返してしまう
- 指示がないと行動できない
- 金銭管理やスケジュール管理ができない
- 感情のコントロールができず対人関係に支障がある
- 働いているが強い配慮を受けている
👉 「できるかどうか」ではなく「一人で安定してできるか」が判断基準です。
【最重要】受給を左右する3つのポイント
①「できるか」ではなく「一人でできるか」
高次脳機能障害では、表面的にはできているように見えても
- 指示がないと動けない
- 見守りや声かけが必要
といったケースが多くあります。
👉 この「援助の必要性」が評価の核心です。
②就労していても受給できる
実務上よくある誤解ですが、働いている=不支給ではありません
- 配慮を受けている
- 業務内容が限定されている
- 人間関係が取れない
こうした事情があれば、十分に対象となります。
③診断書の質で結果が決まる
高次脳機能障害は外見で分かりにくいため、
👉 診断書の書き方=結果と言っても過言ではありません。特に重要なのは、
- 日常生活の具体的な支障
- 家族の援助内容
- 失敗の具体例(頻度・内容)
【等級の目安】どのくらいで何級になるか
■1級の目安
- 日常生活のほぼすべてにおいて常時援助が必要
- 一人での生活がほぼ不可能
- 食事・入浴・外出などにも継続的な介助が必要

- 判断力や認知機能の著しい低下により、危険回避が困難
👉 家庭内でも常に見守り・介助が必要なレベルが目安です。
■2級の目安
- 日常生活に著しい制限がある
- 一人での生活が困難(見守り・援助が必要)
- 就労していても強い配慮あり
👉 高次脳機能障害ではここに該当するケースが多いです。
■3級の目安
- 労働に制限がある
- ミスや対人トラブルが多い
- 就労は可能だが安定しない
■不支給になりやすいケース
- 「できている」と評価される記載
- 家族の支援が反映されていない
- 就労状況が過大評価されている
【症状の理解】高次脳機能障害とは
高次脳機能障害とは、脳の損傷により認知機能に障害が生じる状態です。
主な症状は以下のとおりです。
- 注意障害(集中できない、ミスが多い)
- 記憶障害(新しいことを覚えられない)
- 遂行機能障害(計画・段取りができない)
- 社会的行動障害(感情コントロール困難)
- コミュニケーション障害
👉 外見では分かりにくいが生活に大きな支障が出るのが特徴です。
【治療と経過】
- リハビリ中心
- 初期は改善
- その後は固定化
👉 経過も認定判断に影響します
【認定の考え方】重要ポイント
- 身体機能と精神機能を総合評価

- 就労の有無だけで判断しない
- 職場での配慮内容を重視
👉 「どれだけ支援が必要か」がすべてです
【受給事例①】無職・家族支援あり → 2級認定
- 日常生活で家族の支援が不可欠
- 金銭管理・外出が困難
👉 診断書と申立書で具体的に補強し
障害基礎年金2級(年額約107万円+遡及約427万円)を受給
高次脳機能障害で家族の手助けがなければ生活が困難な状況となり障害基礎年金2級を取得、年額107万円、遡及で427万円を受給できたケース
【受給事例②】就労あり → 3級認定
- 障害者雇用で勤務
- 業務内容は単純作業に限定
- 対人コミュニケーション困難
👉 「働けている」ではなく「配慮がなければ成り立たない」と整理し3級認定
【まとめ】
高次脳機能障害の障害年金は、
- 1級:常時介助が必要
- 2級:日常生活に著しい制限
- 3級:労働に制限
という基準で判断されます。
👉 最も重要なのは「見えにくい障害を具体的に伝えること」です。
【ご相談について】
- 自分が対象か分からない
- 診断書の書き方が不安
- 一度不支給になった
👉 こうした場合でも対応可能です。初回相談で受給可能性の目安をお伝えします。
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