統合失調症で障害厚生年金2級を取得、年額115万円、遡及で316万円を受給できたケース

男性(40代):就労移行支援施設通所
傷病名:統合失調症
居住地:神奈川県横浜市
決定した年金種類と等級:障害厚生年金2級
受給額:年額115万円(遡及額316万円)

この事例のポイント

  • 大学卒業後に発症し、長年の引きこもり生活と幻聴などの重い症状に苦しんできた統合失調症の事例です。
  • 形式的には単身生活(一人暮らし)でしたが、近隣に住む実家家族からの密接な日常生活援助(食事や金銭管理など)の実態を詳細に書類へ反映させました。
  • 過去の障害認定日(初診日から1年6ヶ月が経過した日)時点でも現在と同等の重い障害状態であったことを証明し、過去5年分の「遡及請求(さかのぼり請求)」が認められました。
  • 障害厚生年金2級が認められ、将来に向けて年額115万円の受給に加え、過去分の一時金として316万円が支給されました。

相談時の相談者様の状況

 対象の男性は、大学卒業後の就職失敗を機に意欲が著しく低下し、自宅に引きこもる状態となりました。当初は精神科でうつ病と診断され治療を開始しましたが、時間の経過とともに症状は次第に深刻化していきました。激しい感情の波が生じるようになり、周囲に対する被害妄想、他人の声が聞こえる幻聴、実在しないものが見える幻覚、そして「死にたい」と強く考えてしまう希死念慮(きしねんりょ)に日常的に苦しめられるようになりました。

 

 就労面においては、体調が良い時期にアルバイトや清掃業の仕事に就くこともありましたが、精神的な躁状態(気分が異常に高揚する状態)や妄想の影響により、対人関係のトラブルや業務の継続困難を招き、退職を繰り返していました。現在は就労移行支援施設に通所しリハビリを続けているものの、具体的な就職の目途は立たない状況でした。 日常生活においては、形式的にはアパートでの単身生活を送っていましたが、実際には近くに住む実家の家族が毎日のように訪問し、食事の用意、洗濯、服薬の確認、金銭管理などの世話を焼かなければ生活が成り立たないほど、日常生活能力が著しく低下していました。

相談から請求までのサポート

 男性が通所されていた就労移行支援施設の職員の方から当センター(新横浜・川崎障害年金相談センター)へご紹介をいただき、無料相談をお受けすることになりました。当初はご自身での申請を検討されていましたが、統合失調症の症状を抱えながらの複雑な書類作成や、過去の病院の証明書集めにハードの高さを感じ、断念されている状態でした。 当センターの社労士が面談を行ったところ、初診時の加入年金が厚生年金であり、現在の日常生活の制限の重さから「障害厚生年金2級」の受給可能性が十分に高いと判断しました。さらに、数年前の「障害認定日」の時点から症状が一貫して重かったことから、過去に遡って年金を請求する「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」に注力する方針をとりました。

 

 手続きにおける最大のポイントは、一人暮らしという形式が「日常生活能力に問題がない」と誤解されないようにすることでした。病歴・就労状況等申立書(これまでの病状や生活の困りごとをまとめる書類)の作成にあたっては、家族による具体的な支援内容(食事の差し入れ、洗濯、金銭管理、通院の同行など)を可視化し、家族のサポートがなければ単身生活が維持できない「援助の実態」を詳細かつ客観的に反映させました。また、障害認定日当時の主治医にも連絡を取り、当時のカルテに基づいた適切な診断書を作成いただけるよう連携いたしました。

結果

 障害厚生年金2級が認められ、将来に向かって年額115万円を受給できました。さらに、過去の障害状態も認められたため、過去分に遡って316万円の一時金が同時に支給されました。

担当社労士からのコメント

 今回のケースは、形式上は一人暮らしであっても、実態はご家族の密接なサポートによってようやく生活が成り立っている状況でした。障害年金の審査では、単身生活をしていると「日常生活が自立できている」と判断されやすいため、書類上で「いかに家族の援助が必要不可欠か」を具体的に証明することが非常に重要となります。過去の遡及分を含め、まとまった経済的基盤を確保できたことで、今後の自立や就職に向けたリハビリに安心して専念していただけるようになり、私どもも大変安堵しております。

同じ傷病で障害年金の申請をお考えの方へ

 統合失調症や引きこもり、幻聴などの症状でお悩みの場合、障害年金を受給できる可能性が非常に高いです。しかし、診断書の依頼方法や、ご家族の援助実態を書類で正しく伝えるための「障害年金 申請代行」の手続きは専門知識を要します。「新横浜・川崎障害年金相談センター」では、横浜や川崎を中心に統合失調症の受給実績が多数ございます。初回相談は無料、成果報酬制(不支給時は報酬なし)ですので、経済的な不安がある方もお気軽に電話やLINEから「障害年金 社労士」へご相談ください。

よくあるご質問

Q. 統合失調症で一人暮らしをしていると、障害年金はもらえませんか?

A. いいえ、一人暮らし(単身生活)であっても障害年金を受給することは可能です。ただし、審査においては自立して生活できているとみなされやすいため、近くに住む実家の家族から食事や洗濯、金銭管理などの援助(家族の支援実態)を日常的に受けていることを、病歴・就労状況等申立書などの書類で具体的に証明する必要があります。

 

Q. 統合失調症の障害年金で2級に認められる基準を教えてください。

A. 統合失調症で障害年金2級に認定される一般的な基準は、幻聴や妄想などの精神症状により、日常生活に著しい制限がある状態です。具体的には、自力で適切な食事や入浴、買い物ができない、他者との円滑なコミュニケーションが困難であるなど、家庭内の生活において身の回りの多くのことに家族や福祉の援助(サポート)を必要とするレベルが目安となります。

 

Q. 過去に遡って障害年金を請求する「遡及請求」とは何ですか?

A. 遡及請求とは、本来の請求時期(障害認定日)から何年も経過した後に申請を行う際、過去の時点でも障害状態が重かったことを証明し、過去分の年金をまとめて受け取る手続きです。法律上の時効があるため、最大で過去5年分まで遡って一時金(遡及額)として受給することができます。当時の適切な診断書を入手することが不可欠です。

 

Q. 就労移行支援施設に通いながらでも、統合失調症で障害年金は受給できますか?

A. はい、就労移行支援施設に通所しながらでも障害年金を受給することは十分に可能です。就労移行支援施設への通所は「直ちに一般就労が可能」と判断されるわけではなく、現在はまだ病状の回復や就職のための訓練期間(リハビリ段階)であるとみなされるため、日常生活や就労に制限がある実態を証明できれば2級や3級に認定されます。

投稿者プロフィール

社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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