【質問】糖尿病で足を切断しました。障害年金は貰えますか?

最終更新日: 2026-10-30 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】はい。糖尿病が原因で足を切断した場合も、障害年金の対象になります。片脚をすねや太ももの部分で切断した場合は、原則として障害等級2級に該当します。ただし、受給には初診日や保険料納付などの要件も満たす必要があります。

 糖尿病性壊疽などによる切断は、糖尿病という病名だけで判断するのではなく、切断後の「肢体の障害」として、切断部位などに応じて認定されます。

 

足の切断部位によって、障害年金の等級はどう変わりますか?

 日本年金機構の障害認定基準では、下肢の欠損について、次のように定めています。

障害等級 主な切断・欠損の状態
1級 両下肢を足関節〔認定基準上はショパール関節〕以上で欠くもの
2級 一下肢を足関節〔認定基準上はショパール関節〕以上で欠くもの
3級 一下肢をリスフラン関節以上で失ったもの

※上位等級に該当する場合は、その等級で判断します。「以上」は、切断部位がその関節またはそれより体に近い側にあることを指します。

  • 例えば、片脚の下腿部〔すね〕や大腿部〔太もも〕での切断は、2級に該当する状態です。一方、足指だけの切断や、足の一部の切断が、すべて2級になるわけではありません。 正確な切断部位を、診断書や手術記録で確認することが大切です。

 また、障害基礎年金には3級がありません。 3級に該当する状態で障害年金を受給するには、原則として初診日が厚生年金の加入期間中にあることが必要です。

初診日は「足を切断した病院の受診日」ですか?

 糖尿病と切断の原因となった病変に相当因果関係が認められる場合は、原則として糖尿病の初診日になります。

 

 厚生労働省の資料でも、糖尿病と糖尿病性壊疽・糖尿病性神経障害・糖尿病性動脈閉塞症などは、関連する傷病として同一の傷病と扱う例に挙げられています。そのため、切断手術を受けた日や、足の治療を始めた日が、そのまま初診日になるとは限りません。糖尿病で最初に医療機関を受診した時期と、当時加入していた年金制度を確認しましょう。

切断してから1年6か月待たないと申請できませんか?

 必ずしも、切断後1年6か月待つ必要はありません。障害認定日は、原則として初診日から1年6か月を経過した日ですが、切断・離断による肢体の障害には特例があります。初診日から1年6か月以内に切断・離断した場合は、原則としてその日が障害認定日となります。

 

 糖尿病の初診日からすでに1年6か月以上経過した後に切断した場合は、切断日を新たな障害認定日とするのではなく、障害認定日当時の状態や切断後の状態を踏まえて、請求方法を確認します。

申請前に何を確認すればよいですか?

 まず、次の事項を整理してください。

  • 糖尿病で初めて医療機関を受診した日
  • 初診日に加入していた年金制度と保険料の納付状況
  • 切断した日、左右、正確な切断部位
  • 視力障害や腎機能障害など、ほかの合併症の有無

 

 「糖尿病だから対象外」「片脚だけだから受給できない」ということはありません。 切断部位と初診日を確認したうえで、年金事務所などに相談しましょう。

 

出典・参照(公的機関)

  • 日本年金機構「障害等級表」
  • 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第7節 肢体の障害」
  • 日本年金機構「障害認定日」
  • 厚生労働省「障害基礎年金 お手続きガイド解説―初診日とは?」

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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