【質問】平成2年の大学生の時、スキーでケガをして障害者になりました。当時年金保険料を納めていませんでしたので障害年金は諦めていましたが、こんな私でも受給できると聞きました。本当でしょうか?

最終更新日: 2026-10-07 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】はい。「特別障害給付金」を受給できる可能性があります。

平成2年(1990年)当時、20歳以上の大学生で国民年金の任意加入対象だった方が、加入していなかった期間中にスキーのけがで初めて受診した場合は、この制度の対象となる可能性があります。

ただし、現在の障害状態や請求期限などの条件があります。「保険料を納めていなかった方すべて」が対象になる制度ではありません。

 

特別障害給付金は、任意加入時代の未加入者を対象とする制度です

 かつて国民年金への加入が任意だった学生や会社員等の配偶者のうち、未加入期間に初診日があり、障害基礎年金などを受給できない方のために設けられた福祉的な給付です。

対象となる期間は、次のとおりです。

対象者 対象となる期間
国民年金の任意加入対象だった学生 平成3年(1991年)3月以前
国民年金の任意加入対象だった被用者等の配偶者 昭和61年(1986年)3月以前

 学生の場合は、大学などの昼間部に在学していたことなどを確認します。定時制・夜間部・通信制は、この学生の対象範囲に含まれません。

受給には、現在の障害状態と請求期限の確認が必要です

主な条件は、次の4点です。

  • 任意加入対象でありながら、加入していなかった期間に初診日があること
  • 現在、障害基礎年金の1級または2級相当の状態にあること
  • 65歳に達する日の前日までに、その障害状態に該当し、請求していること
  • 障害基礎年金や障害厚生年金などを受給できないこと

 身体障害者手帳の等級だけで、受給の可否が決まるわけではありません。また、初診日が20歳前だった場合は、特別障害給付金ではなく、20歳前の傷病による障害基礎年金の対象になるかを確認します。

 

令和8年度(2026年度)の支給額

障害の状態 基本月額
障害基礎年金1級相当 58,650円
障害基礎年金2級相当 46,920円

 特別障害給付金は障害基礎年金とは別の制度であり、支給額も同額ではありません。上記は所得制限や他の年金等との調整を受ける前の金額です。本人の前年所得によっては、全額または半額が支給停止となります。また、老齢年金・遺族年金・労災補償等を受けている場合は、その額に応じた調整があります。

古いけがでも、カルテがないだけで諦める必要はありません

 初診日の証明が難しい場合は、身体障害者手帳の申請時の診断書、健康保険の給付記録、入院記録などを確認します。資料がない場合には、当時の状況を知る複数の第三者による証明を検討できることもあります。ただし、資料を提出すれば必ず認められるわけではありません。

学生だった方は、初診日当時の在学状況を確認する書類も必要です。

支給は請求月の翌月分からです

 特別障害給付金は、認定されると請求月の翌月分から支給されます。けがをした当時までさかのぼって支給される制度ではありません。

必要書類がすべてそろっていなくても請求書は受け付けられるため、資料探しだけで請求を遅らせず、住所地の市区町村の国民年金窓口へ相談してください。

よくある質問(FAQ)

Q.学生時代に保険料を払っていなければ、誰でも対象になりますか?

A.いいえ。対象は、平成3年3月以前に国民年金の任意加入対象だった学生で、任意加入していなかった期間に初診日がある方などです。加入義務がある期間の保険料未納を、一般的に救済する制度ではありません。

 

Q.初診日が20歳前だった場合も、特別障害給付金を請求しますか?

A.まず、20歳前の傷病による障害基礎年金を受給できるか確認します。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合、障害基礎年金の保険料納付要件は問われません。

 

Q.65歳になる前に障害があれば、65歳を過ぎてからでも請求できますか?

A.障害状態に該当しているだけでは足りません。原則として、65歳に達する日の前日までに請求する必要があります。期限が近い方は、書類がそろうのを待たずに窓口へ相談してください。

 

Q.平成2年のけがまでさかのぼって給付金を受け取れますか?

A.いいえ。支給は請求月の翌月分からです。ただし、審査に時間がかかっても、認定されれば請求月の翌月分からの給付金が支払われます。

詳しくは、特別障害給付金制度とはもご覧ください。

 

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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