【質問】今まで一回も年金保険料を払ったことがありません。障害年金はもらえますか?

最終更新日: 2026-10-08 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】年金保険料を一度も自分で払ったことがなくても、障害年金を受給できる場合があります。特に、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料の納付要件は問われません。

 また、保険料の免除・納付猶予・学生納付特例が認められていた期間や、厚生年金への加入期間などがあれば、受給要件を満たす可能性があります。「払った覚えがないこと」と「年金記録がすべて未納であること」は区別して確認する必要があります。

 

20歳前に初診日がある場合は、納付要件が不要になることがあります

 20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、保険料を納めた実績がなくても、障害基礎年金の対象になります。初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。重要なのは、現在の年齢ではなく、初診日がいつだったかです。

 ただし、初診日が20歳前というだけで受給が決まるわけではありません。障害の程度が1級または2級に該当するなど、他の要件も満たす必要があります。なお、20歳未満でも、就職して厚生年金に加入している場合があります。そのため、「20歳前は誰でも年金保険料を払う義務がない」という説明は正確ではありません。初診日時点の加入制度も確認しましょう。

自分で払っていなくても「未納」ではない場合があります

年金記録の状況 障害年金の納付要件上の扱い
全額免除が認められていた 納付要件の対象期間に含まれます
納付猶予・学生納付特例が認められていた 納付要件の対象期間に含まれます
勤務先で厚生年金に加入していた 国民年金保険料を別に払っていなくても、納付済期間として扱われます
配偶者の扶養で国民年金第3号被保険者だった 自分で保険料を払う必要はなく、納付済期間として扱われます
納付も免除・猶予等の手続きもしていなかった 原則として未納期間となります

免除や猶予は、単に支払いをしていなかった場合とは異なります。また、一部免除の場合は、免除されなかった残りの保険料を納めていなければ、原則として未納扱いになります。

20歳以後に初診日がある場合は、納付記録の確認が必要です

 原則として、初診日の前日時点で、初診月の前々月までの加入期間のうち、納付済期間と免除期間等を合わせて3分の2以上あることが必要です。特例として、初診日が2036年(令和18年)3月31日までで、初診日に65歳未満の場合は、初診月の前々月までの直近1年間に未納がないことでも要件を満たせます。

 「一度も払っていない」と思っていても、免除や厚生年金の記録が残っていることがあります。まずは、初診日と、その日を基準にした年金記録を確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q.現在40歳ですが、初診日が18歳なら受給できる可能性はありますか?

A.あります。18歳の初診日に年金制度へ加入していなかった場合、20歳前の傷病による障害基礎年金として、保険料の納付要件は問われません。ただし、障害の程度などの要件を満たす必要があります。

 

Q.学生時代に保険料を払っていませんでした。未納になりますか?

A.学生納付特例が認められていたかどうかで異なります。承認された期間は、障害年金の納付要件の対象になります。学生であるだけで、自動的に納付が猶予されるわけではありません。

 

Q.病院を受診した後に未納分を払えば、納付要件を満たせますか?

A.原則として、初診日後に納付しても、その病気やけがについての納付要件を後から満たすことはできません。納付状況は、初診日の前日を基準に確認されます。

 

Q.20歳前の障害基礎年金には、所得制限がありますか?

A.はい。年金制度に加入していない20歳前の傷病による障害基礎年金には、本人の所得による支給制限があります。所得が一定額を超えると、年金の半額または全額が支給停止になる場合があります。

 
 
 

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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