【質問】腹部大動脈瘤で人工血管にしました。障害年金はもらえますか?
最終更新日: 2026-3-23 社会保険労務士 遠藤 隆
【回答】腹部大動脈瘤のみの人工血管置換は、原則として障害年金の対象外です
結論から申し上げますと、「腹部大動脈瘤」による人工血管挿入は、現在の障害認定基準では支給対象(3級)として認められていません。
障害年金の対象となるのは、同じ人工血管挿入でも「胸部大動脈瘤(胸腹部を含む)」または「胸部大動脈解離」の場合に限られます。
1. 障害認定基準における「人工血管」の扱い
障害年金の「心疾患」の基準では、部位によって以下のように定められています。
| 対象となる傷病名 | 認定される等級 | 主な要件 |
|
胸部大動脈解離 (Stanford A型・B型) |
原則 3級 | 人工血管を挿入し、一般状態区分が「イ」または「ウ」に該当すること |
|
胸部大動脈瘤 (胸腹部を含む) |
原則 3級 | 同上 |
| 腹部大動脈瘤 | 原則 対象外 | 認定基準に規定がないため、原則として非該当 |
2. なぜ「腹部」は対象外なのか
現在の認定基準(心疾患)では、胸部大動脈の疾患は「心臓に近い部位の重篤な病態」として評価されます。一方で、腹部大動脈瘤は手術(人工血管置換術)後の予後が比較的良好で、日常生活への制限が少ないとみなされているため、現行の基準では「3級」のリストに含まれていません。
3.専門家からのアドバイス
「人工血管=障害年金」というイメージが強いですが、部位によって明確に線引きされています。ご自身の診断書に「胸腹部(きょうふくぶ)」という記載がある場合は受給のチャンスがありますので、まずは正確な傷病名をご確認ください。
4.よくある質問(FAQ)
Q. 人工血管を挿入すれば、必ず障害年金を受給できますか?
A. いいえ、部位と術後の状態によります。 現在の認定基準では、「胸部大動脈瘤(胸腹部を含む)」または「胸部大動脈解離」により人工血管を挿入し、かつ日常生活に一定の制限(一般状態区分イまたはウ)がある場合に「3級」と認定されます。 残念ながら、「腹部大動脈瘤」のみでの人工血管置換は、原則として対象外です。
Q. 手術をしたらすぐに申請(請求)できますか?
A. はい、手術日が「障害認定日」となります。 通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月待つ必要がありますが、人工血管を挿入した場合は「手術を施行した日」が障害認定日(特例)となります。そのため、1年6ヶ月を待たずに、術後すぐに申請準備を進めることが可能です。
Q. 「一般状態区分表のイ又はウ」とは具体的にどのような状態ですか?
A. 日常生活や労働にどの程度支障があるかの指標です。
区分イ: 軽微な事務仕事などはできるが、激しい運動は制限される状態。
区分ウ: 歩行や身のまわりのことはできるが、時に休息が必要で、軽労働(デスクワーク等)も困難な状態。
「人工血管で障害年金の申請を考えている方へ」
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