【質問】右膝を人工関節にして3級受給中ですが、左膝も人工関節にすることになりました。2級になりますか?

最終更新日: 2026-10-08 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】両膝を人工関節にしても、原則として障害厚生年金は3級です。但し、術後も重い機能障害が残り、2級の認定基準に該当する場合は、2級に認定される可能性があります。

 右膝に続いて左膝も人工関節に置換したからといって、自動的に2級へ変更されるわけではありません。等級を判断するうえで重要なのは、人工関節の数とともに、術後に残る足の機能障害や日常生活への支障です。

 

両膝の人工関節が原則3級となる理由

 障害認定基準では、片足の関節を人工関節に置換した場合も、両足それぞれの関節を人工関節に置換した場合も、原則として3級と定められています。

人工関節の置換状況 障害等級の基本的な考え方
右膝または左膝を人工関節に置換 原則3級
両膝を人工関節に置換 原則3級
置換後も上位等級に該当する機能障害が残る 障害の程度に応じて2級以上を検討

「右膝の3級と左膝の3級を合わせれば2級になる」という取扱いではありません。

人工関節でも2級に認定される場合があります

 障害認定基準には、人工関節に置換してもなお、次の程度以上の障害が残る場合は、上位等級に認定する取扱いがあります。

  • 片足について、足全体の機能をほとんど失った程度の障害が残る場合
  • 両足について、相当程度の機能障害が残る場合

両足の障害では、関節の可動域や筋力に加え、立つ・歩くなどの日常生活動作を踏まえて総合的に判断されます。「人工関節だから2級にはならない」と一律に判断することはできません。

2級への変更を検討するときに確認したいこと

 主治医には、術後の検査結果とともに、実際の生活で困っていることを具体的に伝えましょう。

  • 杖や歩行器を使わずに、どの程度歩けるか
  • 椅子や床から、支えなしで立ち上がれるか
  • 階段の昇り降りに、手すりや介助が必要か
  • 両膝の曲げ伸ばしや筋力に、どの程度の制限があるか

 これらは状態を整理するための確認事項です。杖を使っていることや、階段が難しいことだけで2級が決まるわけではありません。すでに3級を受給していて障害が重くなった場合は、年金額の変更を求める「額改定請求」を検討します。請求できる時期や必要書類は、年金事務所等で確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q.両膝を人工関節にすれば、自動的に2級になりますか?

A.いいえ。両膝を人工関節に置換した場合も原則3級です。2級に該当するかは、術後に残る機能障害の程度などによって判断されます。

 

Q.人工関節の数が増えても、年金額は変わりませんか?

A.人工関節の数に応じて年金額が増える仕組みではありません。障害の程度が重くなり、上位等級に認定された場合には、年金額が変更される可能性があります。

 

Q.術後も歩行が難しい場合は、2級になる可能性がありますか?

A.可能性はあります。ただし、歩行の困難さだけでなく、両足の関節可動域・筋力・日常生活動作などを総合的に確認する必要があります。

 

Q.現在3級ですが、2級への変更はどのように手続きしますか?

A.障害が重くなった場合は、診断書などを添えて額改定請求を行う方法があります。左右の膝の原因となる傷病や、これまでの受給状況を整理し、必要な手続きと請求時期を確認しましょう。

 
 
 

 

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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