【質問】国民年金保険料が未納でも、障害年金はもらえますか? 肝炎の初診後に滞納しています。
最終更新日: 2026-10-29 社会保険労務士 遠藤 隆
【回答】現在未納があっても、障害年金を受給できる可能性があります。保険料納付要件は、現在の納付状況ではなく、原則として「初診日の前日時点」で判断するためです。
ご相談のように、4年前に肝炎で初めて受診し、未納になったのが1年前からであれば、初診日後の未納だけを理由に、その傷病の障害年金を受けられなくなるわけではありません。 ただし、初診日と当時の年金記録を確認し、障害の状態などの要件も満たす必要があります。
肝炎から肝臓がんに進行した場合、初診日はいつですか?
肝炎と肝臓がんに相当因果関係が認められる場合は、原則として、原因となった肝炎の初診日を確認します。 肝臓がんと診断された日が、そのまま初診日になるとは限りません。相当因果関係とは、前の病気がなければ、後の病気は起こらなかったと認められるような関係です。診療記録や医学的な関係を踏まえて判断します。
今回も、4年前の肝炎の受診日が障害年金上の初診日となるかを確認したうえで、保険料納付要件を調べます。
障害年金の保険料納付要件とは?
原則として、次のいずれかを満たす必要があります。
| 判定方法 | 確認する内容 |
|---|---|
| 原則 | 初診日の前日時点で、初診日のある月の前々月までの加入期間のうち、納付済期間と免除期間などが3分の2以上あること |
| 特例 | 初診日の前日時点で、初診日のある月の前々月までの直近1年間に未納がないこと |
特例は、初診日が令和18年〔2036年〕3月31日までにあり、初診日に65歳未満の場合に適用されます。初診日前に未納があっても、原則または特例のいずれかを満たせば、納付要件を満たす可能性があります。
納付要件を満たせば、肝臓がんで必ず受給できますか?
納付要件を満たすことと、障害年金の受給が決まることは別です。肝臓がんでは、検査結果や臨床所見、がんによる障害、日常生活の制限などを確認します。認定基準では、肝疾患と悪性新生物による障害の基準に基づいて判断するとされています。病名だけで自動的に支給されるものではありません。
今後の未納は、そのままでもよいですか?
今回の傷病の納付要件に影響しない場合でも、未納を放置しないことが大切です。 将来の老齢年金や、別の病気・けがによる障害年金に影響する可能性があります。経済的に納付が難しい場合は、免除・納付猶予などを検討してください。一部免除が承認された場合は、免除されなかった残りの保険料を納める必要があります。
まずは、肝炎の初診日、初診日前の年金記録、現在の障害の状態を確認しましょう。当センターでは、未納がある方についても、受診経過と年金記録に基づいて申請の可能性を整理します。
出典・参照(公的機関)
- 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
- 日本年金機構「かけはし 第75号」
- 厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」
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