【質問】障害年金を申請しましたが不支給になりました。審査請求をしたいと思いますが診断書を取り直したほうがいいですか?
最終更新日: 2026-10-07 社会保険労務士 遠藤 隆
【回答】審査請求では診断書の取り直しは認められておりません。先に不支給理由と当初提出した資料を確認し、判断のどこに問題があるのかを整理することが重要です。
審査請求は、新しい診断書で障害年金の申請をやり直す手続きではなく、元の不支給決定が適切だったかを争う手続きです。従いまして裁定請求時に提出した書類をもとに再審査を行ないます。。
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追加資料の提出と、診断書の差し替えは異なります
審査請求では、診断書や医師意見書などを証拠として追加提出することが認められています。ただし、提出できることと、不支給を覆す根拠として評価されることは別です。
| 追加資料の内容 | 審査請求での考え方 |
|---|---|
| 当時の記載漏れを、診療録などに基づいて補足する | 元の判断を検討する証拠になり得ます |
| 当初の診断書の誤りを、理由と根拠を示して説明する | 訂正の経緯や医学的根拠を含めて評価されます |
| 当初より重い評価に変更したが、理由が明確でない | 変更後の評価がそのまま採用されるとは限りません |
| 判断対象となった時点より後の悪化だけを示す | それだけでは、元の不支給決定の誤りを証明できません |
したがって、医師に依頼する際も、単に「診断書を重く書き直してもらう」という進め方は適切ではありません。何が不足していて、どの事実を補足する必要があるのかを明確にします。
不支給理由によって、必要な対応は変わります
不支給の理由は、障害の程度だけとは限りません。初診日や保険料納付要件が問題になっている場合、現在の症状を詳しく書いた診断書を提出しても、その問題を解消できるとは限りません。
まずは次の資料を確認します。
- 不支給決定通知書と、その理由
- 当初提出した診断書
- 病歴・就労状況等申立書
- 初診日の証明資料や年金加入・納付記録
- 必要に応じて、開示を受けた認定関係資料
そのうえで、認定基準の適用、事実の把握、資料の評価などに、具体的な問題がないかを検討します。
生活上の困難は、認定基準と結び付けて伝えます
経済的に困っているという事情だけでは、障害等級に該当する根拠にはなりません。一方、日常生活や仕事での困難は、障害の程度を説明する重要な情報になり得ます。
「体調が悪く、生活が大変」とだけ書くのではなく、当時できなかったこと、必要だった援助、その頻度、裏付けとなる資料を具体的に示します。さらに、それらが認定基準のどの部分に関係し、不支給理由とどう食い違うのかを説明することが大切です。
その後の悪化は、新たな請求も検討します
当時の障害状態に対する判断に不服がある場合と、その後の悪化によって障害が重くなった場合は、分けて考える必要があります。
後者では、審査請求だけでなく、現在の状態に基づく新たな請求が適切かを検討します。どの手続きを選ぶかは、不支給理由、症状の経過、請求できる条件を確認して判断します。
審査請求の期限にも注意してください
審査請求は、原則として、不支給決定があったことを知った日の翌日から3か月以内に行います。医師の回答や追加資料の完成を待っている間も、期限は進みます。準備に時間がかかる場合は、期限内の請求と追加資料の提出方法について、提出先の社会保険審査官へ確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q.審査請求では、診断書を取り直したほうが有利ですか?
A.原則、診断書の撮り直しは認められません。まず不支給理由を確認し、診断書の補足が必要なのか、別の証拠が必要なのかを判断します。
Q.当初の診断書に記載漏れがあった場合は、どうすればよいですか?
A.まず主治医に、当時の診療録などから確認できる事実を相談します。そのうえで、医師意見書などによる補足を検討します。当初の記載と異なる内容になる場合は、その理由と医学的根拠を明確にすることが大切です。
Q.不支給後に症状が悪化した場合も、審査請求をすべきですか?
A.審査請求は現症日時点での障害の状態を再検討する事です。不支給後に症状が悪化した場合は、審査請求と同時に再請求を行うのもよろしいかと思います。
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