【質問】夫の扶養になっていますが、障害年金を貰うと扶養から外れますか?

最終更新日: 2026-10-07 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】障害年金を受給しても、必ず夫の扶養から外れるわけではありません。「税金上の扶養」と「社会保険上の扶養」では、障害年金の扱いが異なります。

 障害年金は非課税のため、夫の配偶者控除などを判定する所得には含まれません。一方、健康保険の扶養認定では収入に含まれます。一定の障害がある方は、障害年金と給与などを合わせた年間収入が180万円未満であることが、扶養を続けるための主な条件です。

 

税金と社会保険では、扶養の判定方法が違います

確認する制度 障害年金の扱い 主な確認事項
税金上の配偶者控除・配偶者特別控除 判定する所得に含めない 障害年金以外の所得、夫の所得など
健康保険の被扶養者 年間収入に含める 年金・給与などの合計収入、生計維持関係など
国民年金の第3号被保険者 収入の確認対象となる 原則20歳以上60歳未満で、厚生年金加入者の配偶者として扶養されていることなど

配偶者の場合、税金上は「扶養控除」ではなく、主に「配偶者控除・配偶者特別控除」の対象になるかを確認します。

障害年金そのものに、所得税・住民税はかかりません

 障害年金は非課税です。そのため、障害年金を受け取ったことだけで、ご本人の所得税・住民税が増えたり、夫が配偶者控除を受けられなくなったりすることはありません。

ただし、パート給与や事業所得などがある場合は、それらの所得と夫の所得に応じて、配偶者控除・配偶者特別控除の適用を判断します。

社会保険の「180万円未満」は、年金と給与などの合計で判断します

 健康保険の扶養における収入基準は、一般には年130万円未満です。60歳以上の方、または障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方については、年180万円未満となります。

「180万円を超えたら」ではなく、**180万円ちょうどでも、原則として収入基準を満たしません。**また、過去の暦年収入だけでなく、認定時点からの今後1年間の収入見込みで判断されます。

例えば、180万円未満の基準が適用される方では、次のように考えます。

障害年金の年額 給与などの年間収入見込み 合計 収入基準の判定
100万円 60万円 160万円 180万円未満
100万円 80万円 180万円 原則として基準を満たさない
140万円 50万円 190万円 原則として基準を満たさない

※計算例です。実際の扶養認定には、収入以外の条件もあります。

180万円未満でも、必ず扶養を続けられるわけではありません

 同居の場合は、原則としてご本人の収入が夫の収入の2分の1未満であることなど、生計維持関係も確認されます。別居の場合は、仕送り額との関係も判断材料です。

また、勤務先の社会保険の加入要件を満たす場合は、収入が180万円未満でも、ご自身で健康保険・厚生年金に加入する必要があります。

扶養を外れた場合の負担は、加入先と免除制度によって変わります

 勤務先の社会保険に加入する場合は、健康保険料や厚生年金保険料の負担が生じます。勤務先の健康保険に加入しない場合は、通常、国民健康保険などへの切替が必要です。

20歳以上60歳未満で国民年金の第1号被保険者になる方のうち、障害基礎年金や障害厚生年金の1級・2級などを受給している方は、**届出により国民年金保険料の法定免除を受けられます。**この免除は、健康保険料や厚生年金保険料を免除する制度ではありません。

したがって、「扶養を外れると必ず損をする」「必ず手取りが増える」とは言い切れません。年金額、給与、加入後の保険料、夫の勤務先の家族手当などを合わせて確認することが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q.障害年金とパート代は合算されますか?

A.はい。社会保険の扶養判定では、非課税の障害年金も給与などと合算します。税金上の所得とは計算方法が異なるため、年金額が分かる通知書と給与の見込み額を用意し、夫の勤務先や健康保険の保険者に確認してください。

 

Q.障害年金を受け取ると、夫の配偶者控除はなくなりますか?

A.障害年金を受け取ることだけでは、配偶者控除の対象から外れません。障害年金は非課税であり、控除を判定する合計所得金額に含めないためです。ただし、給与などのほかの所得や、夫の所得による条件は別途確認が必要です。

 

Q.年金と給与の合計が180万円ちょうどなら、扶養に残れますか?

A.180万円の基準が適用される場合でも、条件は「180万円未満」です。合計が180万円以上になる見込みであれば、原則として扶養の収入基準を満たしません。実際の認定や変更時期は、加入先の健康保険に確認してください。

 

Q.扶養を外れたら、国民年金保険料を必ず払う必要がありますか?

A.必ずしもそうではありません。国民年金の第1号被保険者になり、障害基礎年金や障害厚生年金の1級・2級などを受給している場合は、法定免除の対象になります。免除には届出が必要です。なお、障害厚生年金3級の受給だけでは、この法定免除の対象にはなりません。

投稿者プロフィール

社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は神奈川県横浜市・川崎市を中心に、全国対応の障害年金 申請サポートを行っております。 障害年金について少しでも疑問、質問、不安のある方の相談にのり、「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。サポート依頼をするかどうかは後で決めれば良いです。まずはお気軽に相談ください。
ご相談のご予約
045-594-8864

営業時間: 24時間受付中
(原則翌営業日迄にご連絡)