【社労士監修】てんかんで障害年金はもらえる?受給条件・等級・金額を徹底解説

最終更新日: 2026-5-18 社会保険労務士 遠藤 隆

【結論】てんかんは障害年金の対象です。

てんかんは、発作の頻度や重症度、そして日常生活・就労への支障の程度によって、障害基礎年金または障害厚生年金の対象となります。重要なのは、単に「てんかんと診断されたこと」ではありません。

👉

「発作によってどのような生活制限が生じているか」

「発作がない時間帯も含め、どれほど援助や配慮が必要か」

が審査で最も重視されます。

また、てんかんは精神疾患ではなく、脳の電気的異常によって起こる神経疾患です。外見からは分かりにくい一方で、

  • 外出制限
  • 運転制限
  • 就労制限
  • 危険回避困難

など、生活全体に大きな影響を及ぼすことがあります。

この記事が向いている方

✅ 発作が薬で十分にコントロールできず生活に支障がある方
✅ 発作への不安から仕事や外出が困難になっている方
✅ 自分の発作頻度で何級に該当するか知りたい方
✅ 働きながらでも受給できるのか知りたい方
✅ 小児てんかんから成人後も治療継続している方
✅ 不支給を避ける診断書作成のポイントを知りたい方

この記事の目次

  • てんかんで障害年金を受給するための3つの基本要件
  • 【重要】てんかんの障害等級判定基準(発作のタイプと頻度)
  • てんかんで受給できる障害年金の金額目安(2026年度)
  • 発作回数だけでは決まらない|日常生活能力の重要性
  • 【実務のコツ】診断書で不支給を防ぐためのポイント
  • 当センターの受給事例|5年遡及で520万円受給したケース
  • てんかんの障害年金に関するよくある質問(FAQ)
  • まとめ|てんかんは「発作+生活影響」の具体化が受給の鍵
  • 意識を失う発作がある

てんかんで障害年金を受給するための3つの基本要件

てんかんで障害年金を申請するには、以下の3つの基本要件をすべて満たしている必要があります。

① 初診日要件

てんかん症状で初めて医療機関を受診した日(初診日)が必要です。

重要ポイント

  • 小児てんかんの場合、子どもの頃の受診が初診日になる
  • 成人後に初めて診断された場合は、その受診日が初診日になることもある
  • 初診日に加入していた年金制度によって、基礎年金か厚生年金かが決まる

👉 小児期から治療継続している場合は「20歳前障害」として障害基礎年金の対象になります。

② 保険料納付要件

初診日の前日時点で、年金保険料を一定以上納付している必要があります。原則として、

  • 直近1年間に未納がない
    または
  • 加入期間の3分の2以上を納付

が必要です。

※免除・猶予期間も含まれる場合があります。

③ 障害状態要件

初診日から1年6ヶ月経過した「障害認定日」時点で、国の認定基準に該当している必要があります。

【重要】てんかんの障害等級判定基準(発作のタイプと頻度)

てんかんの認定基準は、「発作のタイプ」と「発作の頻度」の組み合わせによって目安が決まっています。

等級 発作のタイプと頻度の目安 日常生活の状態
1級 AまたはBの発作が月に1回以上
日常生活がほぼ不可能で、常時見守りや介助が必要な状態。
2級 AまたはBの発作が年に2回以上、またはCまたはDの発作が月に1回以上
日常生活に著しい制限があり、一人での生活が困難な場面が多い状態。
3級 AまたはBの発作が年に1回以上、またはCまたはDの発作が年に2回以上
就労に制限がある、または発作により仕事に著しい支障がある状態。

※発作のタイプ分類:

  • A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行動を示す発作(精神運動発作など)
  • B:意識障害の有無を問わず、転倒、強直、間代性けいれんを伴う発作(大発作など)
  • C:意識障害を伴い、本人が記憶していない発作
  • D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

てんかんで受給できる障害年金の金額目安(2026年度)

受給できる金額は、初診日に加入していた年金制度によって異なります。

 ・障害基礎年金(初診日に自営業・主婦・学生など)

   1級:年額 1,059,125円 + 子の加算
   2級:年額 847,300円 + 子の加算

 ・障害厚生年金(初診日に会社員・公務員など)

   1級・2級:基礎年金に加え、報酬比例部分の年金が加算
   3級:最低保証額 635,500円(報酬比例部分がこれより低い場合)

発作回数だけでは決まらない|日常生活能力の重要性

てんかん審査では、発作そのものだけでなく「生活への影響」が極めて重要です。例えば、

  • 一人で入浴できない
  • 火を使う調理が危険
  • 階段昇降が危険
  • 発作への恐怖で外出できない
  • 一人通勤が困難
  • 常時見守りが必要

なども評価対象になります。特に、

「発作がない時間は普通に見える」

という理由で軽く評価されるケースは非常に多いです。しかし実際には、

  • 発作予測不能
  • 突然の転倒
  • 発作後の意識混濁
  • 疲労や記憶障害

などによって、日常生活に大きな制限が生じています。

👉 これらを診断書・申立書で具体的に示すことが重要です。

【実務のコツ】診断書で不支給を防ぐためのポイント

てんかんの申請で最も多い不支給の原因は、「診断書に実態が反映されていないこと」です。以下の点に注意して準備を進めましょう。

① 発作記録をつける

発作日時・内容・持続時間・発作後状態を記録しましょう。


・何月何日
・意識消失の有無
・転倒の有無
・救急搬送の有無
・回復までの時間

👉 医師に客観的情報として伝えやすくなります。

② 「働けている」だけで終わらせない

重要なのは、

  • どんな配慮が必要か
  • どんな制限があるか
  • どの程度援助が必要か

です。

③ 家族支援を具体化する

例えば、

  • 発作時見守り
  • 入浴確認
  • 外出同行
  • 金銭管理
  • 通院同行

など。

👉 家族援助の実態は等級に大きく影響します。

当センターの受給事例

【事例①】

認定日当時の医師がおらず診断書は書けないと病院に断られ困って弊社に相談。結果、てんかんで障害基礎年金2級を取得、年額78万円、遡及で429万円を受給できたケース

【事例②】

初診が30年以上前だった為、第三者証明で初診証明を行いてんかんで障害基礎年金2級を取得、年間約78万円を受給できたケース

その他のてんかん受給事例はこちら

てんかんの障害年金に関するよくある質問(FAQ)

Q. 薬で発作が完全に止まっている場合でも受給できますか?
A. いいえ、原則として難しいです。てんかんの認定基準は「適切な治療を行ってもなお、一定以上の頻度で発作が起こること」が前提です。ただし、薬の副作用が非常に強く、それにより日常生活に著しい支障が出ている場合は考慮される可能性があります。

 

Q. 障害者手帳を持っていなくても障害年金を申請できますか?
A. はい、申請可能です。障害者手帳と障害年金は全く別の制度であり、審査基準も異なります。手帳がなくても、年金の認定基準を満たしていれば受給できます。

 

Q. 「発作がない時間は元気」と診断書に書かれたらどうなりますか?
A. 評価が下がるリスクがあります。審査では「発作時の危険性」や「発作が起きるかもしれないという不安による生活制限」も考慮されるべきです。医師には、発作がない時も含めてどのような不便があるかを正確に伝える必要があります。

 

Q. 働きながらでも受給できますか?
A. はい、可能です。ただし、仕事の内容に制限(危険な作業の禁止、運転の禁止など)があったり、職場から多大な配慮を受けていたりする場合、その実態が評価に反映される必要があります。

 

Q. 申請から受給までどのくらい時間がかかりますか?
A. 申請書類を提出してから、審査結果が出るまで通常3ヶ月〜4ヶ月程度かかります。書類の準備期間を含めると、全体で半年程度は見込んでおくのが一般的です。

まとめ|てんかんは「発作+生活影響」の具体化が受給の鍵

てんかんで障害年金を受給するためのポイントをまとめます。

  • てんかんは障害年金の対象であり、1級〜3級の可能性がある。
  • 判定には「発作のタイプ」と「月・年の発生回数」が基準となる。
  • 発作時だけでなく、日常生活の危険性や就労制限を具体化することが不可欠。
  • 診断書の内容が結果を左右するため、医師への情報伝達が最重要。

てんかんは外見から不自由さが伝わりにくい疾患ですが、ご本人の抱える不安や制限は非常に大きいものです。正しい方法で申請すれば、経済的な支えを得ることができます。

ご相談について

てんかんによる症状で、今後の生活や仕事に不安を感じていませんか? 「自分の発作頻度で対象になるのか」「何から手をつければいいのか」など、一人で悩まずにぜひ専門家へご相談ください。

状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。

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