【質問】専業主婦でも障害厚生年金を申請できますか? 夫の扶養に入っていても受給できますか?

最終更新日: 2026-10-29 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】はい。現在専業主婦でも、障害の原因となった病気やけがの初診日が厚生年金の加入期間中にあり、保険料納付要件と障害状態の要件を満たしていれば、障害厚生年金を申請・受給できます。

 判断のポイントは、現在働いているかではなく、初診日にどの年金制度に加入していたかです。初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。

 

退職後に専業主婦になっても、障害厚生年金の対象になります

 例えば、会社員として厚生年金に加入していたときに初診日があり、その後退職して専業主婦になった場合でも、障害厚生年金の対象になり得ます。

 日本年金機構が示す主な受給要件は、次の3つです。

要件 確認する内容
初診日要件 厚生年金の加入期間中に初診日があること
保険料納付要件 初診日の前日時点で、所定の納付要件を満たしていること
障害状態の要件 原則として、障害認定日に障害等級1~3級に該当すること

 

 障害認定日に等級に該当しなくても、その後悪化した場合には、事後重症請求により受給できることがあります。

 一方、初診日が専業主婦として国民年金の第3号被保険者だった期間にある場合は、原則として障害基礎年金の対象です。過去に会社員として厚生年金に加入していた経験だけでは、障害厚生年金の対象にはなりません。

「1年間厚生年金に加入していなければ申請できない」は誤解です

 保険料納付要件は、原則として、初診日のある月の前々月までの加入期間のうち、納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あるかで確認します。また、初診日のある月の前々月までの直近1年間に未納がなければ、納付要件を満たす特例があります。いずれも初診日の前日時点で判断します。

 そのため、直近1年間のすべてが厚生年金の加入期間である必要はありません。

障害年金を受給すると、夫の扶養から外れますか?

 障害年金を受給しただけで、自動的に夫の扶養から外れるわけではありません。 税金と健康保険では、扱いが異なります。

税金の配偶者控除・配偶者特別控除

 障害年金は非課税所得のため、配偶者控除などを判定する際の所得には含めません。障害年金以外の所得や、夫側の所得などの要件は別途確認します。

健康保険の被扶養者

 健康保険では、障害年金も収入に含めます。協会けんぽでは、障害厚生年金を受けられる程度の障害がある方などについて、原則として年間収入180万円未満が基準となります。180万円ちょうどは「未満」に含まれません。 また、同居の場合は原則として被保険者の年間収入の2分の1未満であることなど、生計維持関係の要件もあります。具体的な認定は、夫が加入する健康保険に確認してください。

扶養から外れたら、国民年金保険料も必ず払うのですか?

 健康保険の扶養から外れ、ほかの健康保険に加入しない場合は、通常、国民健康保険への加入手続きが必要です。また、20歳以上60歳未満で国民年金の第3号被保険者でなくなる場合は、第1号被保険者への変更手続きも必要になります。

ただし、障害基礎年金や障害厚生年金の1級・2級を受給する方は、国民年金保険料の法定免除の対象です。「扶養から外れたら、必ず国民年金保険料を自分で納める」というわけではありません。該当する場合は、法定免除の届出を行います。

 

出典・参照(公的機関等)

  • 日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」「障害年金」「国民年金保険料の法定免除制度」
  • 日本年金機構「扶養親族等申告書の記入項目について」
  • 国税庁「No.1191 配偶者控除」
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)「被扶養者資格の再確認について」ほか

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社会保険労務士 遠藤 隆
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