【質問】障害基礎年金を受給しています。障害厚生年金に変更することはできますか?
最終更新日: 2026-10-08 社会保険労務士 遠藤 隆
【回答】障害基礎年金を受給し始めた後に厚生年金へ加入しても、同じ病気やけがについて、障害厚生年金に切り替えることは原則としてできません。
障害年金の種類は、障害の原因となった病気やけがの「初診日」に、どの年金制度に加入していたかによって決まります。現在の加入制度や、申請時の勤務先によって決まるわけではありません。ただし、厚生年金加入中に初診日がある別の病気やけがで、新たな障害が生じた場合は、障害厚生年金を請求できる可能性があります。この場合は、年金の選択や、複数の障害を合わせて評価する「併合認定」などを確認します。
クリックできる目次
就職して厚生年金に加入しても、同じ障害の年金は切り替わりません
初診日とは、その病気やけがについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。受給要件を満たした場合の基本的な関係は、次のとおりです。
| 初診日時点の加入状況 | 対象となる障害年金 |
|---|---|
| 国民年金の第1号・第3号被保険者 | 障害基礎年金1級・2級 |
| 厚生年金に加入中 | 障害厚生年金1~3級。1級・2級では原則として障害基礎年金も支給 |
| 20歳前で年金制度に未加入 | 20歳前の傷病による障害基礎年金1級・2級 |
例えば、国民年金加入中に初診日があり、障害基礎年金を受給している方が、その後に就職して厚生年金へ加入しても、それだけで障害厚生年金が上乗せされることはありません。
別の病気やけがで、障害厚生年金を請求できる場合があります
新たな障害については、主に次の点を確認します。
- 現在の障害とは別の傷病として扱われるか
- その傷病の初診日が厚生年金加入中にあるか
- 保険料の納付要件を満たしているか
- 障害の程度や請求時期の要件を満たしているか
厚生年金加入中に症状が悪化しただけでは、初診日が変わるわけではありません。新しい診断名が付いた場合も、以前の傷病との関係を確認する必要があります。
新しい障害が認定された場合は、選択や併合認定を確認します
① 別の傷病で障害厚生年金3級に該当する場合
現在の障害基礎年金と、新たな傷病による障害厚生年金3級は、原則としてどちらかを選択します。
障害厚生年金は、加入中の報酬などを基に計算するため、3級でも障害基礎年金2級より高額になる場合があります。等級の数字だけで判断せず、実際の年金額を比較しましょう。
② 別の傷病でも1級・2級に該当する場合
前後の障害を合わせて評価する、併合認定などの対象になる場合があります。
ただし、「2級と2級なら必ず1級になる」という単純な足し算ではありません。障害の組み合わせ、部位、程度などにより判断されます。障害基礎年金と障害厚生年金それぞれの等級・支給関係を確認する必要があります。
同じ障害が重くなった場合は、額改定請求を検討します
障害基礎年金2級を受給していて、同じ病気やけがによる障害が1級相当まで重くなった場合は、障害基礎年金の等級を変更する「額改定請求」を検討します。これは障害厚生年金への切替えとは異なります。請求できる時期や必要な診断書を、年金事務所等で確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q.障害基礎年金の受給後に就職すれば、障害厚生年金ももらえますか?
A.就職して厚生年金に加入しただけでは、同じ障害について障害厚生年金は支給されません。初診日時点の加入制度が基準になります。
Q.厚生年金加入中に病状が悪化したら、切り替えられますか?
A.同じ傷病の悪化であれば、原則として切替えはできません。障害基礎年金2級から1級への額改定を検討する場合があります。
Q.別の病気で障害厚生年金3級になれば、今の障害基礎年金と両方もらえますか?
A.異なる傷病による障害基礎年金と障害厚生年金3級は、原則として選択になります。報酬に応じて3級の年金額が高くなる場合もあるため、金額を確認して判断します。
Q.障害基礎年金2級と、新しい障害厚生年金2級を合わせて1級にできますか?
A.併合認定などにより1級となる可能性はありますが、必ず1級になるわけではありません。前後の障害の内容と受給権の関係を確認し、適用される認定方法を検討します。
投稿者プロフィール

- 当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は神奈川県横浜市・川崎市を中心に、全国対応の障害年金 申請サポートを行っております。 障害年金について少しでも疑問、質問、不安のある方の相談にのり、「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。サポート依頼をするかどうかは後で決めれば良いです。まずはお気軽に相談ください。


初めての方へ




