【質問】初診の医療機関が閉院していました。カルテはどうなっているのでしょうか?

最終更新日: 2026-10-08 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】初診の医療機関が閉院していても、カルテが残っている可能性があります。まずは、閉院時の管理者や、診療を引き継いだ医療機関に保管先を確認しましょう。

 カルテ(診療録)には、法律上、5年間の保存義務があります。「閉院したから廃棄されている」「5年以上前の記録だから残っていない」とは限りません。また、カルテが見つからなくても、別の資料で障害年金の初診日を証明できる場合があります。

 

カルテの保存期間は、原則として診療が完結した日から5年間です

 医師法第24条では、診療録を5年間保存することが定められています。また、保険医療機関及び保険医療養担当規則では、患者の診療録は「完結の日から5年間」保存するとされています。

ここでいう5年間は、保存義務のある期間です。5年を過ぎたら必ず廃棄するという意味ではなく、それ以上の期間保存している医療機関もあります。なお、検査画像など、診療録以外の記録は保存期間が異なる場合があります。

閉院した医療機関のカルテを探す方法

 次の順序で、保管先や問い合わせ窓口を確認しましょう。

確認先 確認する内容
医療機関のホームページ・閉院のお知らせ カルテの保管先、証明書の発行窓口、連絡先
元の院長・管理者・運営法人 診療録が残っているか、開示や証明書作成に対応できるか
診療を引き継いだ医療機関 カルテも引き継がれているか
医療機関所在地を管轄する保健所等 閉院後の連絡先や、相談できる窓口が分かるか

 保健所に相談しても、保管先や連絡先を把握していない場合があります。閉院した医療機関のカルテが、自動的に保健所へ移されるわけではありません。問い合わせる際は、医療機関名、所在地、当時の氏名、生年月日、おおよその受診期間、診察券番号などを整理しておくと確認が進めやすくなります。

カルテが見つかったら、初診日の証明について相談しましょう

 障害年金の申請では、初診日を確認するために、「受診状況等証明書」を使用します。カルテが残っていることが分かったら、「障害年金の初診日証明に使いたい」と伝え、証明書の作成や診療録の写しの交付について相談してください。必要な書類は、年金事務所等でも確認しましょう。

カルテがなくても、障害年金の申請を諦める必要はありません

 閉院や記録の廃棄により初診の医療機関で証明書を取得できない場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を提出し、別の資料による初診日の確認を検討します。例えば、転院先に残る紹介状や診療記録、当時の診察券、医療保険の給付記録などが手がかりになります。ただし、申立書を提出するだけで初診日が認められるわけではありません。資料の内容を踏まえて判断されます。

よくある質問(FAQ)

Q.閉院した病院のカルテは、すぐに廃棄されますか?

A.閉院したという理由だけで、すぐ廃棄されるとは限りません。元の管理者や引継先などに、保存状況を確認してください。

 

Q.最後の受診から5年以上たっていたら、カルテはありませんか?

A.5年以上前のカルテが残っている場合もあります。5年間は法律上の保存期間であり、必ずその時点で廃棄するという意味ではありません。

 

Q.院長が亡くなっている場合は、どこへ問い合わせればよいですか?

A.運営法人や診療の引継先、閉院時の案内に記載された窓口を確認しましょう。連絡先が分からない場合は、所在地を管轄する保健所等に相談してください。カルテの所在や対応できる窓口は、個別の事情によって異なります。

 

Q.カルテが廃棄されていたら、初診日は証明できませんか?

A.カルテ以外の資料で確認できる場合があります。取得できなかった理由を申立書に記載し、転院先の記録など、初診日を裏付ける資料を検討します。

 
 
 
 
 
 

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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