Q生まれつき左手首から先がありません。20歳の頃は通院しておらず障害認定日当時の診断書が入手できません。遡及請求はできませんか?

最終更新日: 2026-10-08 社会保険労務士 遠藤 隆

【回答】20歳当時の診断書がなくても、遡及請求できる可能性があります。先天性の欠損で、20歳当時も現在と同じ障害状態だったことを確認できる場合は、現在の診断書などを用いて障害認定日請求が認められることがあります。

生まれつき左手首から先がない場合、障害の程度は、障害認定基準の「一上肢の全ての指を欠くもの」に該当し、障害基礎年金2級の対象となります。ただし、実際の受給には、診断書等による障害状態の確認等が必要です。

 

20歳当時に通院していなくても、諦める必要はありません

 過去にさかのぼって障害年金を請求する際は、原則として、当時の障害状態を確認できる診断書が必要です。一方、先天性の手の欠損のように、生まれつきの障害で、その状態が20歳当時から変わっていないことを医学的に確認できる場合は、当時の診断書がなくても遡及請求が認められることがあります。

 実際に、先天性の全手指欠損について、現在の診断書1枚に加え、幼少期の資料などを提出し、障害基礎年金2級の遡及認定を受けた事例が公表されています。

「現在の診断書1枚だけで必ず認められる」という意味ではありません

請求では、次の点を明らかにすることが重要です。

  • 先天性の欠損であること
  • 欠損している部位と範囲
  • 20歳当時も同じ欠損状態だったこと
  • 現在までの障害の経過

現在の診断書のほか、母子健康手帳、幼少期の写真、身体障害者手帳や交付時の資料などが残っていれば、補足資料として使えるかを確認しましょう。診断書の枚数だけで判断せず、過去の障害状態をどの資料で確認できるかを、年金事務所や障害年金に詳しい社労士に相談することが大切です。

過去の年金を受け取れるのは、原則として最大5年分です

 20歳時点で受給要件を満たしていたと認められた場合、支給開始は原則として20歳に達した日の翌月分です。ただし、請求が遅れた場合、実際にさかのぼって受け取れる年金は、時効により原則5年分が限度となります。

また、年金制度に加入していない20歳前の傷病による障害基礎年金には、本人の所得に応じた支給制限があります。遡及認定されても、対象期間の所得などによって支給額が調整される場合があります。

よくある質問(FAQ)

Q.20歳の頃に病院へ通っていなければ、遡及請求はできませんか?

A.必ずしもできないわけではありません。先天性の欠損で、20歳当時から障害状態が変わっていないことを確認できる場合は、当時の診断書がなくても認められる可能性があります。

 

Q.現在の診断書が1枚あれば、それだけで申請できますか?

A.現在の診断書1枚で障害認定日請求が認められた事例はありますが、年金請求書や申立書などは別途必要です。先天性であることや過去の状態を確認する補足資料を求められる場合もあります。

 

Q.生まれつき片手の手首から先がない場合、何級になりますか?

A.ご質問の欠損状態は、障害認定基準の「一上肢の全ての指を欠くもの」に該当し、障害基礎年金2級の対象です。欠損部位などを診断書で確認して認定されます。

 

Q.30歳で請求した場合、20歳からの10年分を受け取れますか?

A.原則として10年分すべては受け取れません。20歳時点の受給権が認められても、時効により、過去分の支払いは原則5年分が限度です。

 
 
 

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社会保険労務士 遠藤 隆
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