線維筋痛症で障害年金の申請を考えている方へ

~目次~

  1. 線維筋痛症とは
  2. 線維筋痛症の症状とは
  3. 治療法
  4. 線維筋痛症の検査・診断方法
  5. 線維筋痛症の初診日
  6. 診断書作成に当たって

線維筋痛症とは

線維筋痛症とは、関節や筋肉、腱など全身の広い範囲に、3か月以上も激しい痛みが続く病気のことです。

痛み以外に、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分、物忘れなど多彩な症状を伴います。

原因はいまだ分かっていません。さまざまな検査を行っても、患者さんに共通した特徴的な異常がみられないことから、わが国では線維筋痛症の診断が遅れることがしばしばです。

そのため、多くの患者さんは診断がつくまでに複数の病院を受診し続けるといわれ、潜在患者を含めると、日本ではおよそ200万人の患者がいると考えられています。

このうち80〜90%は女性で、特に30〜60歳の人によくみられることが特徴です。

線維筋痛症の症状とは

線維筋痛症の主な症状は、慢性的に持続または断続する全身性の痛みです。

痛みは鈍い痛みのこともありますが、しばしば激しい痛みとなり、痛みで仕事や家事ができず、夜も眠れないとか、目を覚ましてしまったりします。

線維筋痛症の痛みを、身体がナイフで切り裂かれるような痛み、身体の中でガラスが割れ、その破片で傷つけられるような痛み、痛みで全身が締め付けられるなどと表現されます。

さらに、他の病気に付随して線維筋痛症が発病した場合は、元の病気の悪化により、痛みが悪化します。

痛み以外に、強い疲労感、抑うつ気分、目覚めがすっきりせず熟睡感がないこと、物忘れや集中力が落ちるなどの、さまざま身体、神経や精神症状が出現します

治療法

線維筋痛症の治療では、主な症状である痛みを軽くし、日常生活に支障が出ない程度までコントロールするために行われます。

患者の症状に合わせて主に薬物療法や非薬物療法が検討されます。

線維筋痛症の検査・診断方法

線維筋痛症の診断には、米国リウマチ学会(ACR)の「線維筋痛症分類基準」(1990年)や「線維筋痛症診断予備基準」(2010年)が用いられます。

線維筋痛症の主症状が全身性の慢性疼痛であることから、以下の項目を満たすかどうかを確認することが重要です。

➀広範囲にわたる疼痛(疼痛の広がり)があること

②触診の際に圧痛点(押すと痛みを感じる場所)が基準の18カ所のうち11カ所以上認められること

➂3カ月以上継続する慢性疼痛であること

線維筋痛症の初診日

障害年金を申請する時にまず問題となるのが初診日の特定です。

前述の通り、原因不明の病気ですから、線維筋痛症と確定診断されるまで病院をいくつも転々とする場合が多いのです。

障害年金は初診日から1年6か月経過しないと申請できませんので、なるべく前の病院に遡って初診の証明を取得しようと思いますが、「うちはそんな診断はしていない」と言って受診状況等証明書を書いてもらえない場合があります。

結局、確定診断が出た日が初診日になり1年待たなければ申請できないという場合もあるのです。

なお少し前までは、初診日は確定診断がされた日となっていましたが、前述のような不利益が生じることから、厚生労働省が「線維筋痛症等に係る障害年金の初診日の取扱いについて」という通達を出し、一定の要件があれば申し立ての日でも認めてもらえるようになりました。

診断書作成に当たって

線維筋痛症の場合「肢体の障害」の診断書を使用致しますが、厚生労働省が「線維筋痛症の障害状態について診断書を作成されるお医者様へ」という案内を出しています。これによると診断書には以下の2点を明記するように求めています。

➀圧痛点

18か所ある圧痛点のうち、どこの箇所が該当するか

②ステージ

重症度分類試案のどのステージ(Ⅰ~Ⅴ)に該当するのか

上記2つによって障害年金の等級が変わってきますので、受給可能性を探るため、事前にここを確認しておきましょう。

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