【社労士監修】線維筋痛症でも障害年金はもらえる?受給の可能性・等級の目安・申請で失敗しないポイント

 

【結論】線維筋痛症(せんいきんつうしょう)は障害年金の対象となります。

 

原因不明の激しい全身の痛みや、それに伴う強い疲労感、不眠などにより、日常生活や就労に著しい制限がある場合、障害年金を受給できる可能性が十分にあります。ただし、線維筋痛症は「検査で異常が出にくい」という特徴があるため、初診日の特定や診断書の記載内容によって結果が大きく分かれます。

 

参考:日本年金機構「障害認定基準」 厚生労働省「線維筋痛症診療ガイドライン」

この記事が向いている方

✅ 原因不明の全身の激しい痛みが続き、働くことや日常生活が困難になっている方
✅ 複数の病院を転々として診断までに時間がかかり、初診日の証明に不安がある方
✅ レントゲンや血液検査で異常が出ず、周囲に辛さを理解してもらえず悩んでいる方
✅ 線維筋痛症の症状が重く、将来のために障害年金の受給基準や金額を知りたい方

この記事の目次

  • そもそも障害年金とは?受給に必要な3つの基本要件
  • 線維筋痛症とは?障害年金の審査対象となる主な症状
  • 線維筋痛症における障害年金の認定基準と等級・金額の目安(2026年度版)
  • 【最重要】線維筋痛症の障害年金申請で不支給を防ぐ3つのポイント
  • 当センターの受給事例|線維筋痛症で5年遡及、総額419万円を受給したケース
  • 線維筋痛症の障害年金に関するよくある質問(FAQ)
  • まとめ|線維筋痛症は「見えにくい困難の整理」が受給の鍵

そもそも障害年金とは?受給に必要な3つの基本要件

障害年金とは、病気やケガによって日常生活や仕事に制限が生じた場合に、国から支給される公的年金です。原則として20歳から64歳までの方が対象となります。線維筋痛症で障害年金を受給するためには、以下の3つの基本要件をすべて満たしている必要があります。

  1. 初診日要件:線維筋痛症に起因する症状(全身の痛みや関節痛など)で、初めて医療機関を受診した日に公的年金に加入していること。
  2. 保険料納付要件:初診日の前日において、一定以上の年金保険料を納付または免除されていること。
  3. 障害状態要件:障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月が経過した日)において、国が定める障害等級に該当していること。

 

👉 線維筋痛症は確定診断までに複数の病院を転々とするケースが多く、「どこが初診日になるか」の判断が非常に重要です。

線維筋痛症とは?障害年金の審査対象となる主な症状

線維筋痛症とは、関節や筋肉、腱など全身の広範囲にわたり、3ヶ月以上慢性的な強い痛みが続く原因不明の疾患です。障害年金の審査においては、単に「痛みがある」という点だけでなく、以下のような多彩な付随症状を含めて、総合的に社会生活への影響が評価されます。

  • 激しい慢性疼痛:全身におよぶ、耐え難い刺すような痛みや灼熱感。
  • 随伴症状:強い身体のこわばり、慢性的な激しい疲労感、不眠・睡眠障害。
  • 精神・神経症状:抑うつ状態、不安感、記憶力や集中力の著しい低下。

 

👉 線維筋痛症そのものではなく、症状によって生じる日常生活や就労への支障の程度が障害年金の審査対象となります。

線維筋痛症における障害年金の認定基準と等級・金額の目安(2026年度版)

線維筋痛症は、主に「肢体の障害」の認定基準に準じて、日常生活動作の制限や就労への支障度合いから等級が判定されます。障害認定基準に独立した基準はなく、日常生活能力が重視されます。

障害年金の等級判定の目安

等級
障害の状態・日常生活能力の目安
1級
他人の介助がなければ日常生活のほとんどができない状態。ベッドの上で横になって過ごす時間が長く、身のまわりのことも極めて困難な状態。
2級
日常生活に著しい制限があり、働くことが困難な状態。激しい痛みや疲労感により、一人での生活が難しく、家族などの日常的な支援が必要な状態。
3級
(※厚生年金のみ) 労働に著しい制限がある状態。痛みの波があり軽労働しかできない、または職場の多大な配慮がなければ就労を維持できない状態。

受給できる年金額の目安(2026年度)

・障害基礎年金(初診日に自営業・主婦・学生など)

   1級:年額 1,059,125円 + 子の加算
   2級:年額  847,300円 + 子の加算

 

・障害厚生年金(初診日に会社員・公務員など)

   1級・2級:上記の基礎年金に加え、報酬比例部分が加算
   3級:最低保証額 635,500円(加入期間や過去の収入によってそれ以上になる場合あり)

【最重要】線維筋痛症の障害年金申請で不支給を防ぐ3つのポイント

線維筋痛症はその特性上、書類の準備を誤ると「客観的な証拠が足りない」とみなされ、不支給になりやすい難病です。以下の3つの実務ポイントを必ず押さえてください。

①病院を転々とした場合の「初診日」の特定と証明

線維筋痛症は診断が非常に難しく、整形外科、内科、ペインクリニックなどを経て、ようやく専門医で確定診断が下りるまでに数年かかることが一般的です。 障害年金の手続きでは、「線維筋痛症」と確定診断された日ではなく、「原因不明の痛みで最初に受診した日」が初診日として扱われます。

👉 最初の病院のカルテが廃棄されていると初診日証明が困難になるため、通院歴を時系列で正確に整理し、適切な証拠(紹介状や領収書など)を集める必要があります。

②痛みの強さではなく「日常生活への支障の程度」を具体化する

障害年金の審査で最も重要なのは、「どれだけ強い痛みか」ではなく、「その痛みによって生活にどのような不自由が生じているか」です。 審査官に実態を正しく伝えるため、「起き上がることができず、一日の大半を横になって過ごしている」「痛みのために一人で入浴や調理ができない」といった、家族からの支援状況や具体的な生活制限を書類で可視化しなければなりません。

③診断書(肢体の障害用)の「重症度分類(ステージ)」を正しく記載してもらう

線維筋痛症の申請では通常、手足の動きを評価する「肢体の障害用」の診断書を使用します。この際、医師に厚生労働省が定める「線維筋痛症の重症度分類(ステージⅠ〜Ⅴ)」を明記してもらうことが決定的なポイントです。

👉 日常生活が著しく制限される「ステージⅣ(自力での移動が困難)」や「ステージⅤ(日常生活の用を全く足さない)」は重症例の目安ですが、障害年金は重症度分類のみで決まるものではなく、実際の日常生活能力や就労状況を含めて総合的に判断されます。検査数値に出ないからこそ、医師にステージや圧痛点の状況を正確に診断書へ反映してもらう必要があります。

診断には、米国リウマチ学会(ACR)の基準が用いられます。

当センターの受給事例

当センター(新横浜・川崎障害年金相談センター)でサポートし、無事に支給へと至った実際の事例をご紹介します。

【事例①】

  • ご相談者:40代女性(無職)
  • 結果:障害基礎年金2級(年額 約82万円/5年遡及分 約419万円を受給)

線維筋痛症で軽作業すらできず 一日横になっている状態となり、障害基礎年金2級を5年遡及で受給できたケース

【事例②】

  • ご相談者:50代女性(主婦)
  • 結果:障害基礎年金1級(年額 約97万円を受給)

線維筋痛症による肢体障害で障害基礎年金1級を取得、年額97万円受給できたケース

線維筋痛症の障害年金に関するよくある質問(FAQ)

Q. 検査(レントゲンやMRI、血液検査)で異常がないと言われましたが、障害年金はもらえますか?

A. はい、もらえます。線維筋痛症は一般的な画像検査や血液検査で異常が出ないのが大きな特徴です。障害年金の審査でもその疾患特性は考慮されており、検査数値ではなく「米国リウマチ学会(ACR)の判定基準(圧痛点の数など)」や「日常生活の実際の制限、重症度ステージ」を基準に判断されます。

 

Q. 最初に受診した整形外科と、現在線維筋痛症を治療している病院が違います。初診日はいつになりますか?

A. 「線維筋痛症」と病名がついた現在の病院ではなく、その前段階として「体の一部の痛みや違和感」のために初めて受診した最初の整形外科を受診した日が初診日となります。当時の病院の名称や受診時期を正確に特定することが手続きの第一歩です。

 

Q. 痛みに波があり、調子が良い日もありますが、障害年金の対象になりますか?

A. はい、対象になる可能性があります。線維筋痛症は天気やストレスなどによって症状が激しく変動することが多いです。障害年金の審査では、たまたま調子が良い瞬間ではなく、「持続的な生活制限の平均値」や「最も悪いとき(発作時など)の頻度と重症度」が考慮されます。医師の診断書にも、その調子の波や最悪の時の状態を反映してもらうことが重要です。

 

Q. 働きながらでも線維筋痛症で障害年金をもらうことはできますか?

A. はい、可能です。ただし、通常の労働が制限なくできている場合は受給が難しくなります。短時間勤務にしてもらっている、激しい運動や重労働を免除されている、痛みの強い日には欠勤や早退が認められているなど、職場から多大な配慮や支援を受けて就労を維持している実態を証明する必要があります。

まとめ|線維筋痛症は「見えにくい困難の整理」が受給の鍵

線維筋痛症での障害年金申請における重要ポイントをまとめます。

  • 線維筋痛症は障害年金の対象であり、日常生活の制限に応じて1級〜3級の可能性がある。
  • 「痛みの強さ」そのものより、「食事・入浴・移動など日常生活への具体的な支障」が審査される。
  • 確定診断が遅れて病院を転々とした場合でも、「痛みの症状で最初に受診した日」が初診日となる。
  • 診断書(肢体の障害用)において、重症度(ステージⅣ〜Ⅴ)や日常生活の不自由さを的確に記載してもらうことが不可欠。

線維筋痛症は外見から不自由さが伝わりにくく、周囲や医師にその辛さを正確に伝えることが難しい疾患ですが、正しい方法で実態を書類に落とし込めば、経済的な支えを得ることができます。

ご相談について

全身の激しい痛みや疲労感に耐えながら、今後の生活や仕事に強い不安を感じていませんか? 「自分の状態が受給基準のステージに該当するのか」「複数の病院を通っており初診日が特定できない」など、一人で悩まずにぜひ専門家へご相談ください。

新横浜・川崎障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人 ポラリス・コンサルティング)では、検査数値に表れにくい線維筋痛症の「見えにくい生活の困難」を丁寧にヒアリングし、受給へ向けた最適なサポートをいたします。

状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。

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