関節リウマチの障害年金申請ガイド|「肢体の障害」認定基準と不支給を防ぐ診断書のコツ
【結論】関節リウマチ(かんせつりうまち)は障害年金の支給対象です。
免疫の異常により手足などの関節が腫れ・痛み、変形が進行して日常生活や就労に著しい制限がある場合、障害基礎年金または障害厚生年金を受給できる可能性が十分にあります。ただし、認定を得るためには「肢体の障害」という特殊な認定基準をクリアし、医師に実態に即した正確な診断書を書いてもらう必要があります。
参考:日本年金機構「障害認定基準」、厚生労働省「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」
この記事が向いている方
✅ 関節リウマチによる関節の痛みや変形があり、仕事や日常生活に大きな支障が出ている方
✅ 治療を続けているが症状が進行し、今後の生活費や経済的な先行きに強い不安を感じている方
✅ 障害年金を申請したいが、医師にどのように診断書を依頼すればよいか分からない方
✅ 家族の関節リウマチが悪化しており、サポートのために正確な受給基準を知りたい方
この記事の目次
- そもそも障害年金とは?受給に必要な3つの基本要件

- 関節リウマチとは?障害年金の審査対象となる主な症状と原因
- 関節リウマチにおける障害年金の認定基準と等級の目安
- 関節リウマチで受給できる障害年金の金額目安(2026年度版)
- 【最重要】関節リウマチの障害年金申請で不支給を防ぐ3つのポイント
- 当センターの受給事例|関節リウマチで障害年金を受給したケース
- 関節リウマチの障害年金に関するよくある質問(FAQ)
- まとめ|関節リウマチは「補助具なしの状態」を書類で証明することが受給の鍵
そもそも障害年金とは?受給に必要な3つの基本要件
障害年金とは、病気やケガによって日常生活や仕事に制限が生じた場合に、国から支給される公的年金です。原則として20歳から64歳までの方が対象となります。関節リウマチで障害年金を受給するためには、以下の3つの基本要件をすべて満たしている必要があります。
- 初診日要件:関節リウマチに起因する症状(体のだるさ、微熱、朝方の関節のこわばりなど)で、初めて医療機関を受診した日に公的年金に加入していること。
- 保険料納付要件:初診日の前日において、一定以上の年金保険料を納付または免除されていること。
- 障害状態要件:障害認定日(原則として初診日から1年6ヶ月が経過した日)において、国が定める障害等級に該当していること。
👉 関節リウマチは30代〜50代の発症がピークであり、会社員として厚生年金に加入している時期であれば、より仕組みが手厚い「障害厚生年金」の対象となります。
関節リウマチとは?障害年金の審査対象となる主な症状と原因
関節リウマチとは、本来は外敵から体を守るはずの免疫システムが異常を起こし(自己免疫疾患)、自分の関節の組織を攻撃して破壊してしまう病気です。全国の患者数は70万〜80万人と推定され、特に女性に多く発症します。障害年金の審査においては、主に以下のような症状の進行度と、それに伴う機能制限がチェックされます。
関節リウマチの主な症状
- 初期症状:朝方の関節のこわばり、だるさ、微熱、対称的な指の関節の腫れ。

- 進行期の症状:手首、ひじ、肩、足首、ひざ、股関節など全身の関節への拡大。骨や軟骨の破壊による関節の脱臼・変形(指が短くなる、曲がるなど)。
- 全身の合併症:炎症が肺(間質性肺炎)や目などに広がる、または首の頸椎がずれて手足が麻痺する重篤なケース。
👉 近年は生物学的製剤など優れた治療薬の開発により早期治療が可能になりましたが、それでも薬の効果が出にくい方や、過去に変形してしまった関節によって重い生活制限が残るケースが多数存在します。
関節リウマチにおける障害年金の認定基準と等級の目安
関節リウマチの申請は、主として「肢体の障害(上肢・下肢・体幹・主要関節など)」の診断書を使用して行われます。障害等級は、関節がどれくらい動くか(可動域制限)、筋力は維持されているか、そして最も重要な「日常生活動作(20項目)」がどの程度制限されているかを総合的に考慮して判断されます。
障害等級の判定基準(「肢体の障害」の基準)
| 等級 |
障害の状態・日常生活能力の目安
|
| 1級 |
他人の介助がなければ日常生活のほとんどができない状態。両上肢(両手)の機能が全廃している、または両下肢(両足)の機能が全廃し、ベッド上での寝たきりや車椅子での移動を余儀なくされている状態。
|
| 2級 |
日常生活に著しい制限があり、働くことが困難な状態。両上肢の機能に著しい障害がある(両手でつまむ、握るなどの動作がほぼできない)、または両下肢の機能に著しい障害があり、歩行が極めて困難で日常的に家族の支援が必要な状態。
|
| 3級 |
(※厚生年金のみ) 労働に著しい制限がある状態。片方の腕や足に著しい障害がある、または全身の関節に変形や痛みがあり、軽労働(事務作業など)しか行えない状態。
|
審査で最も重視される「日常生活動作(20項目)」
診断書には、リウマチ患者の方が実際に行う以下の動作について、「一人で難なくできる」「きわめて不自由」「全くできない」などの4段階で医師が評価する欄があります。
- 手の動作:「つまむ」「握る」「タオルを絞る」「紐を結ぶ」「文字を書く」など
- 足・体幹の動作:「立ち上がる」「歩く」「階段の上り下り」「靴下を履く」など
👉 審査官は、この20項目のバツや三角の数(不自由さの割合)を見て、実際の等級を決定します。
関節リウマチで受給できる障害年金の金額目安(2026年度版)
受給できる金額は、初診日に加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)によって異なります。
・障害基礎年金(初診日に自営業・主婦・学生など)
1級:年額 1,059,125円 + 子の加算
2級:年額 847,300円 + 子の加算
・障害厚生年金(初診日に会社員・公務員など)
1級・2級:上記の基礎年金に加え、過去の給与額に応じた報酬比例部分が上乗せ加算
3級:最低保証額 年額 635,500円(加入期間や過去の収入によってそれ以上になる場合あり)
【最重要】関節リウマチの障害年金申請で不支給を防ぐ3つのポイント
関節リウマチの申請で最も多く発生するトラブルは、「書類上の評価が、本人の実際の辛さより軽く書かれてしまい不支給になる」という現象です。これを防ぐために以下の3点に注意してください。
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①「補助具(杖・車椅子など)を使用しない状態」で評価してもらう
障害年金の肢体障害の審査は、原則として「杖、歩行器、車椅子などの補助具を使用しない状態での動作能力」で判定することとなっています。 例えば、「杖を使えばなんとか歩ける」という方の場合、障害年金の書類上は「杖なしでは歩けない(=日常生活がきわめて不自由)」として評価されなければなりません。
👉 診察室で杖を使って歩いている姿だけを医師が見て、そのまま「歩行可能」と診断書に書かれてしまうと、著しく低い(軽い)等級判定をされてしまうため厳禁です。
②主治医が「肢体の障害用」の診断書を書き慣れているか確認する
関節リウマチの主治医はリウマチ科や膠原病内科の専門医であることが多く、これらの診療科の先生は「薬物治療」のプロですが、「障害年金の診断書(特に肢体の動作20項目)」を書き慣れていないケースが珍しくありません。
👉 補助具なしの原則を知らなかったり、診察室の短い時間での印象(「最近調子よさそうだね」という会話など)だけで、実際の生活の不便さ(家で蓋が開けられない、ボタンが留められない等)を考慮せずに軽い評価で診断書を完成させてしまうことがあります。
③「病歴・就労状況等申立書」で実際の生活の不自由さを補完する
医師の診断書を補完するために、ご自身で作成する「病歴・就労状況等申立書」に、関節の痛みやこわばりによって仕事や家事にどれだけの支障が出ているかを克明に記載します。
👉 「朝方は関節が硬直して1時間はベッドから動けない」「痛みの波が激しく、ペンを握ることも難しい」といった、診断書の数値や記号だけでは伝わらない「生の困りごと」を具体化して年金事務所へ伝えることが認定可能性を適切に判断してもらうために重要です。
当センターの受給事例|関節リウマチで障害年金を受給したケース
当センター(新横浜・川崎障害年金相談センター)でサポートし、受給を勝ち取った実際の事例をご紹介します。
【事例①】
- ご相談者:50代女性(無職)
- 結果:障害基礎年金2級(年額 約100万円を受給)
【事例②】
- ご相談者:60代男性(会社員)
- 結果:障害厚生年金2級(年額 約180万円を受給)
関節リウマチの障害年金に関するよくある質問(FAQ)
Q. 新しい生物学的製剤などの薬を使い、痛みがコントロールされていても障害年金はもらえますか?
A. 薬によって炎症や痛みが完全に抑えられ、変形もなく日常生活や労働に大きな支障がない場合は受給が難しくなります。しかし、薬を使っていてもなお「関節の可動域に強い制限がある」「過去の炎症による関節の変形が原因で、ボタンが留められない、歩行が難しいなどの著しい生活制限が残っている」という場合は、障害年金の支給対象となります。
Q. 障害年金において、人工関節や人工骨頭を挿入した場合はどうなりますか?
A. 関節リウマチの治療(または破壊された関節の再建)のために、股関節や膝関節などに人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合、それだけで国が定める障害等級の「3級」に原則認定されます。初診日に厚生年金に加入していた方であれば、術後の経過が良くても障害厚生年金3級(最低保証額約61万円)を永続的に受給できる可能性が非常に高いです。
Q. 障害者手帳(身体障害者手帳)の等級と、障害年金の等級は同じですか?
A. いいえ、同じではありません。障害者手帳(地方自治体)と障害年金(国・日本年金機構)は全く異なる制度であり、審査基準も独立しています。関節リウマチで手帳が4級であっても、年金では2級に認められる事例は多く存在します。手帳の有無にかかわらず、年金の認定基準を満たしているかが重要です。
Q. 診察のときに「最近は調子が良い」と医師に伝えると、年金の審査に不利になりますか?
A. はい、非常に不利になるリスクがあります。関節リウマチは日によって、または時間帯(特に朝と昼)によって症状の軽重が激しい疾患です。診察室(日中の暖かい時間など)で「今日は痛みが少ないです」とだけ伝えてしまうと、医師が「日常生活動作もすべて問題なくできる」と誤解して軽い診断書を書いてしまう原因になります。常に「一番悪いとき(朝方の動けない状態など)」の不自由さをベースに医師へ伝えてください。
Q. 関節リウマチを患いながらデスクワークで働いている場合、受給は無理ですか?
A. いいえ、働きながらでも受給できる可能性はあります。特に初診日に厚生年金に加入していた会社員の方であれば、仕事内容に制限があること(重労働ができない、キーボード入力に著しい時間がかかるなど)や、通勤に著しい困難がある実態が証明できれば、障害厚生年金3級(または2級)に認定されるチャンスがあります。
まとめ|関節リウマチは「補助具なしの状態」を書類で証明することが受給の鍵
関節リウマチでの障害年金申請における重要ポイントをまとめます。
- 関節リウマチは障害年金の支給対象であり、主に「肢体の障害」として審査される。
- 等級は関節の動きだけでなく、手足を使った日常生活動作(20項目)の制限具合で決まる。
- 診断書は、杖や車椅子などの「補助具を使用しない状態」での能力を記載してもらう必要がある。
- 人工関節・人工骨頭を挿入置換した場合は、原則として障害厚生年金3級に認定される。
関節リウマチは、痛みの波や朝方のこわばりなど、診察室の一瞬の姿だけでは主治医にすら本当の辛さが伝わりにくい特徴を持っています。だからこそ、普段のリアルな生活制限をいかに客観的な書類に落とし込めるかが、認定結果に大きな影響を与えます。
ご相談について
関節の激しい痛みや変形、朝方の動けなさに耐えながら、今後の生活や仕事に強い不安を感じていませんか? 「自分の関節の曲がり具合で対象になるのか」「先生に重い診断書を書いてもらえるか不安」など、一人で悩まずにぜひ専門家へご相談ください。
新横浜・川崎障害年金相談センター(運営:社会保険労務士法人 ポラリス・コンサルティング)では、リウマチ特有の「見えにくい日常生活の不自由さ」を丁寧に整理し、医師へ実態を正確に伝えるためのサポートを行います。
状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。
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