人工関節置換術とは、傷ついた股関節の損傷面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。
人工関節は、金属製のステムとボールとソケット、そしてソケットの内側にはめ込む超高分子ポリエチレン製のライナーでできています。
このライナーは、軟骨の役目を果たしているので、ボールをライナーに組み込むことにより、スムーズな関節の動きが得られます。
一方、人工骨頭置換術は、臼蓋側(骨盤側)には手を加えず、骨頭のみを人工関節に置換するものです。
どちらも障害厚生年金3級に該当いたしますが、どの関節でもいいのかというとそうではなく、3大関節に限定されます。
上肢なら肩関節、肘関節、手関節、下肢なら股関節、膝関節、足関節です。
ただし肘関節でも認めてもらえない場合もありますので注意が必要です。
▶弊社HP「肘関節の人工関節そう入置換の取り扱いにご注意を!」
また2か所以上人工関節にしても、そのことだけでは3級のままです。
障害認定基準(上肢の障害)では以下のように定められています。
コ 人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り 扱う。
(ア) 一上肢の3大関節中 1 関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両上肢の3大関節中 1 関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級と認定する。 ただし、そう入置換してもなお、一上肢については「一上肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両上肢については「両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、 さらに上位等級に認定する。
(イ) 障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して 1 年 6 月を超える場合を除く。)とする。
また障害認定基準(下肢の障害)では以下のように定められています。
ク 人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り 扱う。
(ア) 一下肢の 3 大関節中1 関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両下肢の 3 大関節中1 関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは 3 級と認定する。 ただし、そう入置換してもなお、一下肢については「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両下肢については「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定する。
(イ) 障害の程度を認定する時期は、人工骨頭又は人工関節をそう入置換した日(初診日から起算して 1 年 6 月を超える場合を除く。)とする。
なお人工関節には認定日の特例が定められていて、初診日から1年6か月以内に、手術した日があればその日を障害認定日にすることができます。
遡及請求の場合、障害認定日が1年以上前であれば、通常は診断書を2枚(障害認定日と現在)取得する必要がありますが、人工関節での申請の場合には現在の診断書1枚だけで遡及請求が可能です。また更新もなく永久認定となります。