コラム
パーキンソン病(指定難病6)
1.パーキンソン病とは パーキンソン病は、振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛、姿勢保持障害を主な運動症状とする神経変性疾患です。50歳以上で発症することが多い一方、まれに40歳以下で発症する若年性パーキンソン病もあります。 2.どのくらいの患者さんがいるのですか 患者数は10万人あたり100~180人とされ、65歳以上では約100人に1人と高齢者に多く、人口の高齢化に伴って患者 続きを読む
シャルコー・マリー・トゥース病(指定難病10)
1.シャルコー・マリー・トゥース病とは シャルコー・マリー・トゥース病は、1886年に報告された遺伝子変異による末梢神経疾患の総称で、主に手足の末端に筋力低下や感覚低下を引き起こします。男女差はほとんどなく、発症時期は乳幼児期から若年期が多いものの、50〜60歳になってから症状が現れる場合もあり、それまで日常生活やスポーツに支障がない人も少なくありません。 診断は、問診や神経学的診察に加え、神 続きを読む
ミトコンドリア病(指定難病21)
1.ミトコンドリア病とは ミトコンドリアは全身のほぼすべての細胞に存在し、生命活動に必要なエネルギーを産生する重要な役割を担っています。ミトコンドリアのはたらきが低下すると細胞の活動が障害され、脳では認知や感覚、運動機能の低下が起こり、心臓では循環機能の低下、筋肉では筋力低下や疲れやすさなどが生じます。このように、ミトコンドリア機能障害を原因として発症する病気の総称がミトコンドリア病です。多くは 続きを読む
重症筋無力症(指定難病11)
1.重症筋無力症とは 重症筋無力症は、末梢神経と筋肉の接ぎ目である神経筋接合部において、筋肉側の受容体が自己抗体によって障害される自己免疫疾患です。その結果、神経から筋肉への信号伝達がうまくいかなくなり、筋力低下や易疲労性が生じます。特徴的な症状として眼瞼下垂や複視などの眼症状が多くみられ、眼の症状のみの場合は眼筋型、全身の筋力低下を伴う場合は全身型と呼ばれます。進行すると嚥下障害や呼吸筋麻痺を 続きを読む
脊髄小脳変性症(指定難病18)
1.脊髄小脳変性症とは 脊髄小脳変性症は、小脳や脊髄の神経が徐々に障害されることで、歩行時のふらつき、手の震え、喋りにくさなどが現れる病気の総称です。体を動かす力は保たれているものの、うまく調節できなくなる「運動失調」が中心で、腫瘍や脳卒中、炎症など明らかな原因によらない変性疾患が含まれます。一部の病型では症状が脊髄に及ぶこともあり、この名称が用いられています。日本では行政上、足の突っ張りが中心 続きを読む
多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)
1.多発性硬化症/視神経脊髄炎とは 多発性硬化症(MS)は、中枢神経系に生じる脱髄疾患の一つで、脳や脊髄の神経線維を覆う髄鞘が炎症によって障害される病気です。髄鞘が失われることで神経の電気信号がうまく伝わらなくなり、さまざまな神経症状が出現します。脱髄病変が中枢神経の各所に斑状に生じ、再発と寛解を繰り返すのが特徴です。一方、かつて視神経脊髄型MSと呼ばれていた疾患の多くが、アクアポリン4(AQP 続きを読む
特発性大腿骨頭壊死症(指定難病71)
1.特発性大腿骨頭壊死症とは 特発性大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭の一部で血流が低下し、骨組織が死んでしまう病気です。骨が壊死してもすぐに痛みが出るわけではなく、壊死した部分が潰れて変形したときに初めて痛みが生じます。壊死範囲が小さい場合は症状が出ないまま経過することもあります。原因は完全には解明されていませんが、ステロイド薬の大量投与、アルコール摂取、喫煙、膠原病などが危険因子とされています。本症 続きを読む
網膜色素変性症(指定難病90)
1.網膜色素変性症とは 網膜色素変性症は、網膜の視細胞が徐々に障害される遺伝性・進行性の疾患です。視細胞には暗所視や視野に関わる杆体細胞と、中心視力や色覚を担う錐体細胞の2種類がありますが、本症ではまず杆体細胞が障害されるため、暗い場所で見えにくくなる夜盲や視野狭窄が初期症状として現れます。進行すると錐体細胞も影響を受け、視力低下や色覚異常、まぶしさなどの自覚症状が増えていきます。ただし進行速度 続きを読む
IgA腎症(指定難病66)
1.IgA腎症とは IgA腎症は、検尿で血尿や蛋白尿が見つかり、腎臓の糸球体に免疫グロブリンIgAが沈着することを特徴とする腎疾患です。多くは慢性に経過し、確定診断には腎臓の組織を採取して調べる腎生検が必要となります。病状が進行して末期腎不全に至った場合には、透析や腎移植といった腎代替療法が必要になります。 2.どのくらいの患者さんがいるのですか 患者数の正確な把握は困難です 続きを読む
エーラス・ダンロス症候群(指定難病168)
1.エーラス・ダンロス症候群(EDS)とは エーラス・ダンロス症候群(EDS)は、皮膚や関節が通常より伸びやすいこと、血管や内臓などの組織がもろいことを特徴とする遺伝性の結合組織疾患です。1901年にエーラス、1908年にダンロスによって報告され、2017年に国際的な分類・命名法が整理されました。現在は古典型、血管型、関節(過可動)型など13の病型に分類されており、それぞれ遺伝形式や原因遺伝子、 続きを読む














