全身性アミロイドーシス(指定難病28)

最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆

1.アミロイドーシスとは

アミロイドーシスとは、アミロイドと呼ばれる線維状の異常蛋白質が体内のさまざまな臓器に沈着し、臓器の機能障害を引き起こす疾患の総称です。沈着の範囲により、全身の複数臓器に及ぶ全身性アミロイドーシスと、特定の臓器に限局する限局性アミロイドーシスに分けられます。全身性の代表的なものには、免疫グロブリン性アミロイドーシス(AL/AH)、野生型および遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシス(ATTRwt、ATTRv)、AAアミロイドーシス、透析関連アミロイドーシスなどがあります。このうちAL/AH、ATTRwt、ATTRvは指定難病に該当し、医療費助成の対象となっています。一方、限局性アミロイドーシスにはアルツハイマー病や脳アミロイドアンギオパチー、プリオン病などの脳アミロイドーシスが含まれます。

 

2.どのくらいの患者さんがいるのですか

患者数は病型によって大きく異なります。AL/AHやATTRvは国内で数百人程度、AAは数千人、透析関連アミロイドーシスは1~2万人と推定されています。ATTRwtは診断例が約4000人とされていますが、高齢者に多く、未診断の患者が多数存在すると考えられています。また、アルツハイマー病は国内に約500万人いるとされ、高齢化の進行に伴い今後さらに増加する見込みです。

 

3.病気の原因はなんですか

発症には遺伝性と非遺伝性があります。遺伝性の代表はATTRvで、トランスサイレチン遺伝子の変異を持つ人に発症します。アルツハイマー病やプリオン病にも一部遺伝性のものがあります。一方、ALアミロイドーシスは多発性骨髄腫など免疫異常に、AAは慢性炎症性疾患に、透析関連型は長期透析に、ATTRwtは加齢に関連して発症し、これらは非遺伝性です。原因蛋白質が凝集してアミロイドとなり臓器に沈着することは分かっていますが、形成過程の詳細な仕組みは蛋白質の種類ごとに異なり、完全には解明されていません。

 

4.どのような症状ですか

症状は沈着する臓器により多彩で、全身性では心不全や不整脈、腎不全、消化管障害、末梢神経・自律神経障害などがみられ、舌や肝臓の腫大を伴うこともあります。脳アミロイドーシスでは、認知症や脳出血などの症状が現れます。

 

5.どのような治療法がありますか

治療は近年大きく進歩しています。ATTR型にはトランスサイレチン安定化薬や核酸医薬、AL型には幹細胞移植を併用した化学療法や新規抗体薬、AA型には新しい抗リウマチ薬、アルツハイマー病には抗アミロイドβ抗体など、病型に応じた原因治療が可能になりつつあります。ただし、治療を行わない場合、多くの全身性アミロイドーシスは進行性で、数年で重篤化することもあります。

 

6.注意点はありますか

アミロイドーシスは早期診断と正確な病型分類が重要であり、専門医による診療が不可欠です。疑われた場合には、できるだけ早く専門医に相談することが、予後改善につながります。

 

7.障害年金申請のポイント

 様々な臓器に影響が出る可能性がありますので、適切な診断書を選択することが必要です。内臓障害は検査数値によって決まってくる場合が多いので、障害認定基準とよく照らし合わせてみましょう。

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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