後縦靱帯骨化症(OPLL)(指定難病69)

最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆

1.後縦靱帯骨化症(OPLL)とは

後縦靱帯骨化症(OPLL)とは、背骨の後方で椎骨を上下につないでいる後縦靱帯が骨のように硬くなることで、脊髄が通る脊柱管が狭くなり、脊髄やそこから分かれる神経根が圧迫される病気です。その結果、しびれや痛み、運動障害などの神経症状が生じます。骨化が起こる部位により、頚椎、胸椎、腰椎の後縦靱帯骨化症に分けられます。

2.どのくらいの患者さんがいるのですか

患者数については、一般外来を受診した成人の頚椎レントゲン調査で、骨化が認められる頻度は約1.5~5%、平均3%と報告されています。ただし、骨化があっても必ず症状が出るわけではなく、実際に神経症状を呈するのは一部の人に限られます。発症は中年以降、とくに50歳前後に多く、男女比は約2対1で男性に多いことが特徴です。また、糖尿病や肥満のある人で発生頻度が高いことが知られています。

 

3.病気の原因はなんですか

原因は単一ではなく、複数の要因が関与すると考えられています。遺伝的素因、性ホルモン異常、カルシウムやビタミンD代謝異常、糖尿病、肥満、加齢、全身的な骨化傾向、局所への力学的ストレスや椎間板の変性などが挙げられています。特に家族内発症が多いことから、遺伝子の関与が有力視されています。実際、患者の兄弟に靱帯骨化症がみられる確率は約30%と報告されていますが、必ず遺伝するわけではありません。

 

4.どのような症状ですか

症状は骨化部位によって異なります。頚椎では、首や肩甲骨周囲、指先の痛みやしびれが初発症状となることが多く、進行すると四肢のしびれや感覚障害、歩行障害、手指の細かい動作が困難になるなどの脊髄症状が現れます。重症化すると歩行や排尿・排便が困難となり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。胸椎では体幹や下半身に症状が出やすく、腰椎では歩行時の下肢痛やしびれ、脱力などが主となります。多くの患者では症状が長期間変化しませんが、一部では進行し、手術が必要になる場合があります。また、転倒などの軽い外傷をきっかけに、急激に症状が悪化することもあります。

 

5.どのような治療法がありますか

治療は症状の程度に応じて選択されます。保存療法では、神経を保護することを目的に、頚椎カラーなどの装具装着、姿勢の工夫、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬による薬物療法が行われます。症状が重い場合には手術が検討され、頚椎では骨化を直接摘出して固定する前方法や、脊柱管を拡大する後方法が用いられます。胸椎や腰椎でも骨化の状態に応じた手術が行われます。

 

6.注意点はありますか

後縦靱帯骨化症は、経過中に骨化が拡大したり、他の靱帯骨化を合併することがあります。手術後に症状が改善しても、数年から十数年後に再発することがあるため、定期的な画像検査が生涯にわたり重要です。日常生活では転倒などの外傷を避け、神経障害の急激な悪化を防ぐことが大切です。

 

7.障害年金申請のポイント

後縦靱帯骨化症は骨化の部位によって、首や上肢、下肢と症状が出る部位が変わってきます。いずれも肢体障害での申請になりますので、日常生活動作の確認が必要になります。

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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