最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆
1.IgA腎症とは
IgA腎症は、検尿で血尿や蛋白尿が見つかり、腎臓の糸球体に免疫グロブリンIgAが沈着することを特徴とする腎疾患です。多くは慢性に経過し、確定診断には腎臓の組織を採取して調べる腎生検が必要となります。病状が進行して末期腎不全に至った場合には、透析や腎移植といった腎代替療法が必要になります。
2.どのくらいの患者さんがいるのですか
患者数の正確な把握は困難ですが、腎生検で診断される疾患の中では最も多く、日本の疫学調査では約3万3千人の患者がいると推計されています。発症年齢は小児から成人まで幅広く、海外では男性に多いとされる一方、日本では明確な性差は認められていません。
3.病気の原因はなんですか
原因は明らかではありませんが、腎臓に沈着するIgAは、血液中に増加した糖鎖構造に異常のあるIgAに由来すると考えられています。一般的には遺伝病ではありませんが、まれに家族内で発症する家族性IgA腎症がみられることがあります。
4.どのような症状ですか
症状は初期にはほとんどなく、学校や職場の検尿で偶然、血尿や蛋白尿を指摘されて発見されることが多い病気です。進行すると腎機能が低下し、高血圧を合併したり、腎不全に伴うさまざまな症状が現れます。また、扁桃炎などの上気道感染や腸炎の際に、コーラ色の肉眼的血尿が出現することもあります。
5.どのような治療法がありますか
治療方針は、腎機能や蛋白尿の程度によって異なります。基本となるのは生活・食事療法で、減塩が重要です。腎機能が低下している場合には、たんぱく質制限が必要となることもあります。禁煙や、肥満がある場合の減量も勧められます。通常は厳しい運動制限は不要ですが、医師の指示に従うことが大切です。薬物療法としては、高血圧を伴う場合にRA系阻害薬が用いられます。病状によっては、副腎皮質ステロイド薬、口蓋扁桃摘出術、免疫抑制薬、抗血小板薬、魚油などが選択されることもあります。近年は病態に基づいた新規治療薬の国際共同治験も進められており、今後の治療の進歩が期待されています。
6.どのような経過をたどりますか
経過は個人差が大きく、高血圧の有無や発見時の腎機能によって左右されます。ゆっくりと進行して腎機能が低下する患者がいる一方、蛋白尿や血尿が軽度で合併症のない患者では、腎機能が長期間安定することも少なくありません。日常生活では禁煙、体重管理、減塩を心がけ、定期的な通院と検査を継続することが重要です。
7.障害年金申請のポイント
IgA腎症が進行し腎不全になり人工透析導入になって、障害年金2級受給というパターンが一番多いと思います。人工透析に至らなければ、検査数値から腎臓の疾患で申請を行なうことになると思います。

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