最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆
1.パーキンソン病とは
パーキンソン病は、振戦(ふるえ)、動作緩慢、筋強剛、姿勢保持障害を主な運動症状とする神経変性疾患です。50歳以上で発症することが多い一方、まれに40歳以下で発症する若年性パーキンソン病もあります。
2.どのくらいの患者さんがいるのですか
患者数は10万人あたり100~180人とされ、65歳以上では約100人に1人と高齢者に多く、人口の高齢化に伴って患者数は増加しています。世界的にも急増が問題となり、「パーキンソンパンデミック」と呼ばれています。
3.原因は何ですか
原因は、中脳の黒質に存在するドパミン神経細胞が減少することです。ドパミンは運動を円滑に調整する物質であり、その不足により体が動きにくくなったり、ふるえが生じたりします。神経細胞内にアルファ・シヌクレインというタンパク質が凝集・蓄積することが神経細胞減少の原因と考えられていますが、なぜ蓄積が起こるのかは明らかではありません。多くの場合、食事や職業、生活環境など特定の原因はなく、遺伝もしません。ただし、若年発症例の一部では原因遺伝子が見つかることがあります。
4.どのようの症状ですか
主な運動症状は、安静時に起こる振戦、動きが遅く小さくなる動作緩慢、他人が動かしたときに感じる筋のこわばり、転びやすくなる姿勢保持障害です。姿勢保持障害は通常、発症から数年後に現れ、早期に出現する場合は他のパーキンソン症候群が疑われます。さらに、便秘、頻尿、発汗異常、疲れやすさ、嗅覚低下、立ちくらみ、抑うつ、意欲低下などの非運動症状も多くみられ、生活の質に大きく影響します。

5.治療法は
治療の基本は薬物療法で、減少したドパミンを補うことを目的とします。ドパミンそのものは脳に届かないため、前駆物質であるL-ドパを使用します。これに加え、ドパミン受容体刺激薬や、L-ドパの分解を抑えて効果を高める各種酵素阻害薬などを組み合わせて治療します。薬物療法で効果が不十分な場合には、脳深部刺激療法や、L-ドパの持続投与を行うデバイス補助療法が選択されることもあります。
運動療法も重要で、散歩やストレッチなど無理のない運動を毎日続けることが、体力維持や症状改善につながります。気持ちを前向きに保つことも治療の一環であり、日常生活の工夫が大切です。
6.注意点はありますか
現在の治療により平均寿命は一般とほぼ変わらないとされますが、転倒、誤嚥性肺炎、便秘による合併症には注意が必要です。規則正しい生活、適切な運動・食事・服薬を心がけ、病気と向き合いながら自分らしく生活することが重要です。
7.障害年金を申請するには
日常生活動作に影響がでてきますので肢体障害で手続きを進めていきます。診断書は薬が効いている、オンの状態で御記入いただきます。またホンヤールの数値も記入してもらいましょう。
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