強直性脊椎炎(指定難病271)

最終更新日: 2026-1-15 社会保険労務士 遠藤 隆

1.強直性脊椎炎とは

強直性脊椎炎は体軸性脊椎関節炎に分類され、仙腸関節や脊椎の靱帯付着部に炎症が生じる疾患です。肩・股・膝関節やアキレス腱、眼や腸に症状が及ぶこともあります。X線で仙腸関節の明らかな変化があれば強直性脊椎炎と診断され、MRI所見やHLA-B27陽性の場合はX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎とされます。一部は進行します。多くは45歳未満で発症し、安静で悪化し動くと軽快する腰背部痛が特徴です。進行すると脊椎が骨性に癒合し可動性が低下します。日本ではHLA-B27保有率が低く稀な疾患です。

 

2.どのくらいの患者さんがいるのですか

強直性脊椎炎はHLA-B27と強く関連しますが、日本人の保有率は約0.3%と低く、患者数も少ない疾患です。全国調査では患者数は数千人規模と推定され、稀な病気であるため診断まで平均9年ほどかかることが多いとされています。近年は認知向上により診断例が増えています。

 

3.病気の原因はなんですか

強直性脊椎炎の原因はまだ明確には解明されていませんが、発症にはHLA-B27との強い関連が知られています。ただし、HLA-B27を保有していても発症するのは10%未満で、保有者すべてが発症するわけではありません。HLA-B27の保有率は国によって差があり、日本では低いため患者数も少ないと考えられています。発症には、付着部への機械的負荷による炎症や免疫異常、腸内細菌叢の変化なども関与するとされています。一方、本症は典型的な遺伝病ではなく、親からHLA-B27を受け継いでも多くは発症せず、遺伝だけで決まる病気ではありません。

 

4.どのような症状ですか

多くは45歳未満で発症し、誘因なく腰痛や殿部痛が出現します。安静で悪化し、動かすと軽減する炎症性腰背部痛が特徴で、夜間痛や朝のこわばりを伴うことがあります。進行すると脊椎同士が骨化して可動域が制限され、前屈姿勢となり日常動作が困難になります。付着部炎による踵や坐骨などの痛み、全身倦怠感、微熱もみられます。約25%に前部ぶどう膜炎を合併し、再発性で視力障害のリスクがあるため早期治療が重要です。長期罹患では骨粗鬆症が進み、軽微な外傷で脊椎骨折や脊髄損傷を起こす危険があります。

 

5.どのような治療法がありますか

治療の基本は運動療法で、毎日のストレッチや水中運動、入浴が有効です。薬物療法ではNSAIDsが第一選択で、末梢関節炎にはスルファサラジンが用いられることがあります。効果不十分な場合、TNF阻害薬やIL-17阻害薬などの生物学的製剤、さらにJAK阻害薬が選択され、症状や生活機能の改善が期待されます。重度の変形や関節破壊では手術が検討されます。

 

6.どのような経過をたどりますか

 本症は10~20代で発症し、20~30歳代に病勢のピークを迎え、40歳代以降は次第に沈静化することが多いとされています。激しい痛みの後に、脊椎や関節の拘縮・強直が目立つようになりますが、背骨全体が強直するのは約3分の1です。中高年以降は痛みが減り、こわばりや倦怠感が主体となります。直接の死因となることは少なく、生命予後は比較的良好です。

 

7.障害年金申請のポイント

 この病気が進行すると、脊椎の可動域が制限され前屈姿勢となり日常動作が困難になりますので、肢体障害の診断書で申請いたします。

 

「強直性脊椎炎により日常生活に支障をきたすようになり、障害基礎年金2級が認められ、年額78万円、遡及で189万円を受給できたケース」

https://shinyokohama-shogai.com/case/case-7783

 

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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