【質問】年金生活者支援給付金とはどういった制度ですか?
最終更新日: 2026-10-07 社会保険労務士 遠藤 隆
【回答】年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入や所得額が一定基準額以下の、年金受給者の生活を支援するために、年金に上乗せして支給されるものです。
年金生活者支援給付金は、収入や所得が一定基準以下の年金受給者に対し、生活を支えるために年金に上乗せして支給される給付金です。2019年10月に始まり、老齢・障害・遺族の3種類があります。
障害基礎年金を受給している方は、所得などの条件を満たすと「障害年金生活者支援給付金」を受給できます。受け取るには、原則として請求手続きが必要です。
障害年金生活者支援給付金の対象となる方
次の2つの要件を、両方満たす方が対象です。
- 障害基礎年金を受給していること
- 前年の本人所得が、所定の所得基準以下であること
旧法・旧共済の障害年金のうち、政令で定められた年金も対象です。一方、障害厚生年金3級だけを受給している場合は、原則として対象になりません。
所得基準は「年収」ではなく「本人の所得」で確認します
令和8年10月分から令和9年9月分については、令和7年中の本人所得が、次の金額以下であることが条件です。
4,918,000円+扶養親族の数に応じた加算額
扶養親族がいない場合は、本人所得が491万8,000円以下であることが基準です。扶養親族等がいる場合の加算額は、次のとおりです。
| 扶養親族等の区分 | 1人当たりの加算額 |
|---|---|
| 原則 | 38万円 |
| 70歳以上の同一生計配偶者または老人扶養親族 | 48万円 |
| 特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族 | 63万円 |
障害年金・遺族年金などの非課税収入は、この所得判定に含まれません。また、給与の額面年収と所得は異なります。給与がある方は、給与所得控除後の所得などで確認します。
令和8年度(2026年度)の給付額
| 障害基礎年金の等級 | 月額 | 12か月受給した場合の合計 |
|---|---|---|
| 1級 | 7,025円 | 84,300円 |
| 2級 | 5,620円 | 67,440円 |
給付額は、物価の変動に応じて年度ごとに見直されます。受給中の方には、支給額を知らせる通知書が送付されます。
請求手続きと支給開始時期
日本年金機構から請求書が届いた場合は、必要事項を記入して提出します。対象の請求書が届いた方は、電子申請も利用できます。
所得情報などは市町村から提供されるため、課税証明書などの添付は原則不要です。ただし、「添付書類が不要」ということと、「請求手続きが不要」ということは異なります。
支給は原則として、請求した月の翌月分からです。新たに基礎年金の受給権を得た方には、一定期間内の請求による例外があります。障害基礎年金を新規に請求する方は、支援給付金の手続きも併せて確認しましょう。
振込は原則として偶数月に2か月分ずつ、年金と同じ口座へ、年金とは別に行われます。
翌年以降の手続きと、支給されない場合
受給開始後は、支給要件を満たしていれば、2年目以降の請求手続きは原則不要です。ただし、所得が基準を超えるなど、要件を満たさなくなった場合は支給されません。その後、再び要件を満たしたときは、改めて請求が必要になる場合があります。
また、次の場合も給付金は支給されません。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止となっているとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
請求書が届いた場合でも、審査の結果によっては不支給となります。
よくある質問(FAQ)
Q.障害厚生年金3級でも受給できますか?
A.障害厚生年金3級だけを受給している場合は、原則として対象外です。障害年金生活者支援給付金は、障害基礎年金などの対象年金を受けていることが条件です。
Q.障害年金の受給額も、所得制限の計算に含まれますか?
A.いいえ。障害年金などの非課税収入は含まれません。給与所得や事業所得など、判定対象となる本人の所得で確認します。
Q.夫や妻に収入があっても、受給できますか?
A.受給できる可能性があります。障害年金生活者支援給付金の所得要件は、受給する本人の所得で判断します。老齢年金生活者支援給付金とは異なり、「世帯全員が住民税非課税であること」は要件ではありません。
Q.一度請求すれば、毎年申請しなくても受け取れますか?
A.はい。支給要件を満たしていれば、翌年以降の手続きは原則不要です。ただし、要件を満たさなくなって支給が終了した後、再び対象となった場合は、改めて請求が必要になることがあります。
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