大脳皮質基底核変性症(指定難病7)

最終更新日: 2026-1-15 社会保険労務士 遠藤 隆

1.大脳皮質基底核変性症とは

大脳皮質基底核変性症は、筋肉のこわばりや動作の遅さ、歩行障害といったパーキンソン症状と、手が思うように使えない、動作がぎこちなくなるなどの大脳皮質症状が同時にみられる進行性の神経変性疾患です。症状は身体の左右どちらか一方に強く現れることが多い点が特徴ですが、典型的な症状がそろわない場合も多く、診断が難しい病気とされています。40歳以降に発症し、年齢とともに進行します。

 

2.どのくらいの患者さんがいるのですか

患者数の正確な統計はありませんが、日本では人口10万人あたり約3.5人程度と推定される、比較的まれな疾患です。発症年齢は40歳代から80歳代まで幅広く、特に60歳代に多くみられます。男女差はほとんどなく、特定の生活習慣や既往歴が発症に関与するとは考えられていません。

 

3.病気の原因はなんですか

原因は明らかになっていませんが、脳の前頭葉や頭頂葉を中心に強い萎縮が認められます。顕微鏡レベルでは神経細胞の脱落や、神経細胞・グリア細胞内に異常な構造物が出現することが確認されています。ただし、なぜこれらの変化が起こるのかは未解明です。また、本症は遺伝性の病気ではありません。

 

4.どのような症状ですか

症状としては、初期には片側の腕がうまく使えない、動作が遅くなるといった訴えが多くみられます。進行すると同じ側の足にも症状が及び、歩行が不自由になります。さらに病状が進むと反対側の手足にも障害が広がり、転倒しやすくなります。加えて、言葉が出にくくなる失語症や、片側の空間を認識できなくなる半側空間無視、認知症症状が現れることもあります。手足が急にぴくつくミオクローヌスや、持続的に力が入ってしまうジストニアがみられる場合もあります。脳画像検査では、大脳萎縮に左右差がみられることが特徴です。近年では、進行性核上性麻痺に似た経過をたどる型や、失語・認知症が主症状となる型など、さまざまな病型が知られています。

 

5.どのような治療法がありますか

治療に関しては、進行を止める特効薬はありません。パーキンソン症状に対しては、レボドパなどのパーキンソン病治療薬が一定の効果を示すことがありますが、効果は限定的です。ミオクローヌスにはクロナゼパムが有効な場合があります。運動機能の低下を防ぐため、可能な範囲で体を動かし続けることが重要です。また、嚥下機能の低下に伴う誤嚥性肺炎を防ぐため、食事形態の工夫や口腔ケアも大切です。

 

6.どのような経過をたどりますか

 本症はゆるやかに進行し、個人差はありますが、発症から5~10年ほどで寝たきりになるケースが多いとされています。患者一人ひとりの症状や進行に応じた、柔軟で継続的な支援が求められます。

 

7.障害年金申請のポイント

 病気の進行により日常生活動作に影響が出てきますので肢体障害で申請可能です。

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社会保険労務士 遠藤 隆
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