最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆
1.全身性強皮症とは
全身性強皮症は、皮膚や内臓が硬くなる「硬化」や「線維化」を特徴とする自己免疫疾患です。強皮症には皮膚のみを侵す限局性強皮症と、皮膚と内臓の両方に病変が及ぶ全身性強皮症があり、両者は全く異なる病気であるため、まずこの区別が重要です。全身性強皮症の中でも、病気の進行や内臓障害の程度には大きな個人差があり、必ずしも進行性とは限りません。
現在、全身性強皮症は主に二つの病型に分類されています。一つは発症後5~6年以内に皮膚硬化や内臓病変が進行しやすい「びまん皮膚硬化型」、もう一つは比較的軽症で進行が緩やかな「限局皮膚硬化型」です。この病型分類により、将来の経過や合併症のリスクをある程度予測できるようになっています。
2.どのくらいの患者さんがいるのですか
日本では確認されている患者数は2万人以上で、指定難病の受給者は約2万7千人にのぼります。ただし、症状が軽く診断に至らない例も多く、実際の患者数はさらに多いと考えられています。男女比は約1対12で女性に多く、30~50歳代に好発しますが、小児や高齢者に発症することもあります。
3.病気の原因はなんですか
原因は完全には解明されていませんが、①自己抗体を伴う免疫異常、②線維芽細胞の活性化による線維化、③血管障害の三つが病態の中心と考えられています。これらが複雑に関係し合って病気が成立すると考えられています。遺伝病ではありませんが、発症しやすさに関わる複数の遺伝的素因と環境因子が関与すると推測されています。
4.どのような症状ですか
症状として最も多い初発症状は、寒冷刺激で手指が白や紫に変化するレイノー現象です。続いて手指のむくみや皮膚硬化が現れ、びまん型では体幹まで進行することがあります。その他、指先潰瘍、毛細血管拡張、色素異常、石灰沈着などの皮膚症状がみられます。内臓病変としては、間質性肺疾患、強皮症腎クリーゼ、逆流性食道炎、肺高血圧症などが重要で、特に肺や腎の障害は生命予後に影響します。
5.どのような治療法がありますか
根治療法はありませんが、近年は治療の進歩により症状や進行を抑えることが可能になっています。免疫抑制薬や生物学的製剤、抗線維化薬、血管拡張薬などを病態に応じて用い、早期から適切な治療を行うことが重要です。
6.どのような経過をたどりますか
経過は病型によって異なり、びまん型では発症早期の管理が特に重要です。自己抗体の種類は病型判定の重要な手がかりとなり、定期的な検査と専門的な診療が欠かせません。
7.障害年金申請のポイント
全身性強皮症は体のむくみ、痛み、痺れと言った症状を起こすことが多く、肢体障害で申請することになると思います。他傷病同様肢体の状態を細かく先生にお伝えすることが重要です。
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