遠位型ミオパチー(指定難病30)

最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆

1. 遠位型ミオパチーとは

遠位型ミオパチーとは、遺伝的要因によって生じる筋疾患の一群で、一般的な筋疾患とは異なり、体幹に近い筋肉ではなく、足首や指先など体幹から遠い「遠位筋」から障害されることを特徴とします。

2. どのくらいの患者さんがいるのですか

筋疾患自体が希少である中、遠位型ミオパチーはさらに稀な病気で、日本では10種類以上が知られています。その中でも比較的患者数が多いのが「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)」と「三好型ミオパチー」で、それぞれ約400人と推定されています。次いで「眼咽頭遠位型ミオパチー」があり、約120人程度と考えられています。発症年齢は疾患によって異なり、GNEミオパチーや三好型ミオパチーは20~30代での発症が多く、眼咽頭遠位型ミオパチーは中年期以降に発症します。男女差はなく、いずれも遺伝性疾患です。

3. 病気の原因はなんですか

GNEミオパチーはGNE遺伝子、三好型ミオパチーはジスフェルリン遺伝子の変異が原因で、いずれも両親から変異遺伝子を受け継いだ場合に発症する常染色体潜性遺伝病です。GNEミオパチーではシアル酸合成の低下、三好型ミオパチーでは筋線維膜修復障害が病態に関与します。一方、眼咽頭遠位型ミオパチーは特定遺伝子の繰り返し配列の異常伸長が原因で、常染色体顕性遺伝と考えられています。

4.どのような症状ですか

症状としては、GNEミオパチーでは足首を上げる筋が障害され、つまずきやすさや歩行障害が初期に現れ、徐々に筋萎縮が進行します。三好型ミオパチーではふくらはぎの筋肉が痩せ、つま先立ちが困難となり、進行すると立ち上がりや階段昇降も難しくなります。眼咽頭遠位型ミオパチーでは下肢遠位筋の障害に加え、まぶたが下がる、飲み込みにくいなどの症状が特徴です。
遠位型ミオパチー(指定難病30)

5.どのような治療法がありますか

治療は近年大きく進歩しています。ATTR型にはトランスサイレチン安定化薬や核酸医薬、AL型には幹細胞移植を併用した化学療法や新規抗体薬、AA型には新しい抗リウマチ薬、アルツハイマー病には抗アミロイドβ抗体など、病型に応じた原因治療が可能になりつつあります。ただし、治療を行わない場合、多くの全身性アミロイドーシスは進行性で、数年で重篤化することもあります。

6.注意点はありますか

病気の進行には個人差が大きく、10数年で車椅子が必要となる例もあれば、高齢でも歩行可能な例もあります。日常生活では転倒予防が重要で、過度な筋力トレーニングは避け、無理のない生活管理が求められます。

7.障害年金申請のポイント

筋力に影響が出てきますので、肢体障害で申請することになります。日常生活動作の状況を医師に詳しくお伝えしましょう。

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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