リンパ管腫症/ゴーハム病(指定難病277)

最終更新日: 2025-12-21 社会保険労務士 遠藤 隆

1.リンパ管腫症/ゴーハム病とは

リンパ管腫症は、リンパ管の組織が全身のさまざまな臓器に浸潤する非常に稀な疾患です。リンパ管は本来、中枢神経系を除く全身に分布し、体液バランスの調整や栄養輸送を担う重要な役割を果たしていますが、本疾患では先天的な構造異常により、骨や肺、縦隔などへ異常に増殖・浸潤します。重症例では生命に関わることもあります。

一方、ゴーハム病は骨が進行性に溶解し、その部位がリンパ管組織に置き換わる疾患であり、乳び胸を生じるなどリンパ管腫症と共通点が多くみられます。両者は臨床的に明確な区別が難しい場合があり、並列した病名として扱われますが、本来は別の疾患です。

 

2.どのくらいの患者さんがいるのですか

国内では全国調査により登録症例は80例余りとされ、未診断例を含めると約100例程度と推測されています。発症は小児や若年者に多く、多くの方が20歳までに症状を呈します。遺伝性はなく、性別や特定の体質との関連も明らかではありません。

 

3.病気の原因はなんですか

原因については、リンパ管系の異常発生が関与していると考えられており、近年、PIK3CA遺伝子変異によるPI3K/AKT/mTORシグナル経路の過剰活性化が一因であることが分かってきました。ただし、嚢胞性リンパ管奇形やリンパ浮腫など類似疾患も多く、混同や誤診が起こりやすいため、慎重な鑑別が必要です。

 

4.どのような症状ですか

症状は浸潤臓器により多彩で、多くの症例で多臓器病変を認めます。特に胸部病変では、胸水や乳び胸による息切れ、咳、喘鳴、呼吸困難が出現し、重症例では致死的となることもあります。骨病変では、疼痛、病的骨折、脊髄神経障害などが起こり、日常生活に大きな支障を来します。

 

5.どのような治療法がありますか

治療については、標準的治療法は確立されていませんが、近年、シロリムスが薬物療法として保険承認されました。そのほか、インターフェロンやビスホスホネート、外科的切除、放射線治療、硬化療法などが、症状や病変部位に応じて行われます。胸水に対しては穿刺や手術、栄養療法も試みられますが、効果は限定的で、完治は困難な場合が多いです。

 

6.注意点はありますか

日常生活では、呼吸器感染の予防や呼吸状態への注意、骨折予防のための運動制限などが必要となります。浸潤している臓器や症状には個人差が大きいため、主治医と十分に相談しながら、個別に対応していくことが重要です。

 

7.障害年金申請のポイント

多臓器病変や骨病変のため、1日の大半を横になって過ごすことが多いようです。この場合、「その他の障害」で申請します。

 

 

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社会保険労務士 遠藤 隆
社会保険労務士 遠藤 隆
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