こんにちは。社会保険労務士の遠藤です。
本日は障害年金を申請しようとしている(元)教員や公務員の方向けに「障害共済年金」について解説します。
もくじ
- 障害年金とは
- 厚生年金への一元化について
- 障害厚生年金と違なる点
- 障害共済年金を申請したい場合
障害年金とは
障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に、
原則20歳から64歳の方が受け取ることができる年金です。
障害年金には、「障害基礎年金」「障害厚生年金」があり、初診日(病気やけがで初めて医師の診療を受けたとき)に
国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。
また、障害年金を受け取るには、年金の保険料納付要件を充たしていることが必要です。
障害年金の対象となる病気やけがは、手足の障害などの外部障害のほか、精神障害やがん、糖尿病などの内部障害も対象となります。
障害厚生年金への一元化
平成27年10月1日から国家公務員共済組合、厚生年金、地方公務員等共済組合、私立学校教職員共済の4つに分かれて運営されている被用者年金制度を厚生年金に統一し、公務員や私学教職員も厚生年金に加入することとされました。
これは少子高齢化の一層の進展等に備え、年金財政の範囲を拡大して制度の安定性を高めるとともに、民間サラリーマンや公務員、私学教職員を通じ、同じ保険料を負担し、
同じ年金給付を受けるという年金制度の公平性を確保することにより公的年金に対する国民の信頼を高めることを目的にしています。
これにより、共済組合の組合員期間中に初診日がある傷病により、平成27年9月までに年金を受ける権利が生じた場合は障害共済年金、平成27年10月の一元化後に年金を受ける権利が生じた場合は、障害厚生年金が支給されるようになりました。
障害厚生年金と異なる点
一元化後、受給要件、手続き等は障害厚生年金と同じになりましたが、一部異なる点は以下の通りです。
① 請求先は、初診日に共済組合の組合員であれば共済組合、審査、給付も共済組合からなされます。
② 年金額計算の加入期間は共済組合期間と厚生年金期間と合算します。
③ 経過的職域加算額の支給要件は、初診日が一元化前にあることが必要です。
一元化前までは、障害共済年金は、退職共済年金と同様に在職中の場合は年金と賃金の合計額によって、年金の一部または全部が支給停止されることになっていましたが、
被用者年金制度が一元化された平成27年10月以降は、在職中であっても支給されることになりました。
なお、障害共済年金の職域加算額については、組合員として在職中の場合、全額支給停止されます。
障害の程度が2級以上と認定されれば障害基礎年金もあわせて支給されます。
ただし、年金証書は国から発行され、基礎年金の金額のみが記載されてきます。
診断書の種類は「1」(永久認定)が記載されていますが、実際の更新月は共済組合から発行される年金決定通知書等に記載されていますので注意が必要です。
なお共済組合での支給が決定したのち年金機構にこの結果が伝えられますので、実際の振込は共済組合の支払いより1~2か月後になります。
共済組合には独自のルールがある場合があり、例えば障害認定日と請求日の期間が長い場合、その間の診断書を取るよう指示があることがあります。
また一般的に、書類が組合に受け付けられ障害年金が決定するまでの期間は、日本年金機構の場合と比較すると長期になる傾向にあるようです。
障害共済年金を申請したい方へ
障害共済年金は障害厚生年金と一元化されましたが、独自の書式がある等申請方法が地域によって異なります。
ご不安な方はまず専門の社会保険労務士にご相談ください。
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