女性(50代)会社員
傷病名:慢性腎臓病
居住地:横浜市
決定した年金種類と等級:障害厚生年金2級
受給額:年額120 万円
相談時の相談者様の状況
ご相談者の方は、慢性腎臓病により人工透析となり、障害年金のご相談のご連絡をいただきました。障害の程度は年金が請求できる程度であるものの、初診日をどこにすればいいのか悩んでおられました。人工透析に至る経緯をお伺いすると、最初は妊娠中毒症の後遺症として「慢性糸球体腎炎」と診断され経過観察をしていたところ症状は安定したまま経過、その後職場の定期健康診断で高血圧・貧血・尿潜血を指摘され近医で定期受診をしている中で、クレアチニンの数値が悪化しはじめ、大学病院での精査加療入院を勧められたが仕事の都合で従来の定期受診を継続していたところ会社の定期健康診断で急激な腎機能の悪化があり大学病院で入院人工透析となっていられました。ご相談者の方は当初「慢性糸球体腎炎」と診察された以降も検査数値も安定しており健康診断で急激に腎機能が低下したところを初診と考えているようでした。
社労士の見解
ご相談の内容から、障害の程度には問題がなく、初診日要件と納付要件を満たせば年金は申請可能です。慢性腎臓病に至った原因傷病を「慢性糸球体腎炎」の診断を受けた病院であれば障害基礎年金の申請になります。その後健康診断で受診した病院であれば障害厚生年金の請求になります。保険料の納付に問題はないため年金の受給はどちらが初診日となっても受給できます。病状の経過からクレアチニン・尿蛋白の数値が悪化して受診した病院を初診日として障害厚生年金の請求を主たる請求とする方針を立てました。
相談から請求までのサポート
病気の経過から、検査数値の推移が重要であるため、定期受診で経過観察していた検査数値と定期健康診断結果の情報を可能な限り収集し、腎疾患が悪化していった経過がわかるよう資料をまとめました。病状の経過から最初に定期健康診断で高血圧・貧血・尿潜血を指摘され定期受診を始めた病院を初診として障害厚生年金の主請求とすることとしました。しかしながら慢性糸球体腎炎の初診を初診日とされる可能性があったためこちらを予備請求として障害厚生年金と障害基礎年金の事後請求を同時請求しました。事後重症請求の場合、年金の受給権は申請した月の翌月に発生します。障害厚生年金の初診日が認められず。改めて障害基礎年金の申請をした場合に不利益になってしまうためです。
結果
初診日については定期受診中にクレアチニンの数値が悪化したとされた検査日に変更になりましたが、主たる請求である障害厚生年金が認められ2級の障害厚生年金を受給することが出来ました。